『イチローVS松井秀喜/相容れぬ2人の生き様』 古内義明
2010年 04月 06日

一学年違いの二人は既に高校時代に出会っていて、その頃のエピソードなんかも紹介された番組でしたが、それを見る限りでは”仲良し”というほどではないものの、結構昔から互いを認め合ってるスター同士らしい友好ムードが感じられ非常に面白かったのですが(あれだけ饒舌なイチローも珍しいだろうし)、今じゃ二人の”不仲”説が一般的になってるのは両方のファンとしては悲しい限りですね。例の、WBCに出る出ないの頃からだったと思いますが。
ま、その理由にもこの本では触れてはいるのですが、突っ込んでいるのでもなく、深く掘り下げているのでもなく、割と通り一遍な印象に終始してるのは、やっぱり何かタブーでもあるんでしょうかね。
全体的にも、これといった目新しい事実があるわけでもないですし、作者独自の取材やインタビューがあるわけでもないので、”情報”を求めているファンには物足りないでしょう。
ただ、今シーズン何度も繰り広げられるであろう、両者の直接対決を楽しむために、基本的な知識を仕入れておこうという人ならば一読の価値あり。
今日の開幕戦で早速イチローは安打と盗塁を記録(盗塁死もあったけど)、そして松井は決勝となるタイムリーとダメ押しのホームランを放つなど、二人は遺憾なく持ち味を発揮。これから約半年間、楽しませてくれそう。
ただ願わくば、全日本であれ、特定のチームであれ、二人が同じチームでプレーするところを見てみたいもんです。
イチローが出塁し、相手を掻きまわし、そして松井がそれを返す。こんなシーンを望むファンは多いと思うんですけどねぇ。