『レベッカ』
2010年 04月 19日
イギリスの女性作家ダフネ・デュ・モーリアが書いたベストセラー小説をミュージカル化したもの、というよりヒッチコックが監督したサスペンス映画の舞台化といった方が通りがいいのかな。映画版は終盤の展開が原作とは違うそうで、このミュージカル版の方がより近いそうだが、小説を読んだことも映画を観たこともないので気にしない気にしない。
脚本・作詞のミヒャエル・クンツェと作曲のシルヴェスター・リーヴァイは『エリザベート』、『モーツァルト!』、『マリー・アントワネット』を手掛けた人気コンビ、だそうですが、どれも観てないので結局今回は殆ど予備知識なしでの鑑賞。一応、大まかなストーリーは知っていたのだけれども、結末やサスペンス部分の謎解きも知らなかったので、最後までハラハラドキドキしてました。
ちなみにこの作品、二年前に上演されたものの再演だそうですが、一部キャストが入れ替わっただけでなく、劇場の規模が大きくなり、曲も増え、演出も様変わりしているそうなのでリニューアル版ということになるようです。
物語は主人公の「わたし」が、ヴァン・ホッパー夫人の付き添いでモンテカルロを訪れた際、マキシム・ド・ウィンターというイギリス紳士と出会うところから始まります。
昨年ヨットの事故で妻を亡くしたばかりのマキシムと「わたし」はたちまち惹かれあい、数日後マキシムは「わたし」にプロポーズ。二人はマンダレイにあるマキシムの大邸宅へ向かいます。
しかしそこで「わたし」を迎えたのが家政婦頭のダンヴァース夫人。彼女は「わたし」に、美しく知的だった先妻レベッカこそこの屋敷に相応しく、「わたし」には女主人は務まらないと宣言。生前と変わらずレベッカの持ち物を管理するダンヴァース夫人に「わたし」は圧倒されてしまいます。
屋敷中、そしてマキシムの心にもレベッカの存在は今も色濃く残っていることに大きく戸惑う「わたし」。しかしレベッカの死には何やら謎めいた秘密があることがわかり・・・。
出演は「わたし」に大塚ちひろ、マキシム・ド・ウィンターに山口祐一郎、ダンヴァース夫人はWキャストでシルビア・グラブと涼風真世(自分が観た回はシルビア・グラブでした)、マキシムの親友で屋敷の管理人フランクに石川禅、レベッカの従兄弟ジャック・ファヴェルが吉野圭吾、マキシムの姉で「わたし」の良き相談相手になるベアトリスに伊東弘美、そしてヴァン・ホッパー夫人に寿ひずるという配役。
大塚ちひろはデビューの頃の可愛らしいイメージしかなかったけれど、前半のおどおどした少女からクライマックスでの凛とした女性像まで頑張っていたと思います。
圧巻だったのがシルビア・グラブ。単に”怖い”というだけでなく、存在感ありすぎ。彼女が舞台に登場するだけで、温度が一気に下がるような感じでした。
ところで今回初めて観た山口祐一郎なんですが、いつもあんなフワフワした台詞回し、歌い方なんですか?
久しぶりのミュージカル。今年初の帝劇で、『レベッカ』を観てきました。 前回観たミュージカルは1月30日の『蜘蛛女のキス』なので、自分的にはずいぶん久しぶり。緊縮財政のため、観劇の回数を減らすように努力した結果なのですが、その努力も気が緩んでしまいこの先5月、6月にはすでに1回づつのミュージカルのチケットを買ってしまっています。月イチで食いとどめなければ……と努力してます。 そんなわけで、ひさしぶりのミュージカル、前日からわくわく楽しみにしていました。 シアタークリエの初演を観ています。しかし細か...... more
帝劇判『レベッカ』2回目の観劇、5月8日のソワレを観て気ました。今回ダブルキャストのダンヴァース夫人。涼風真世のダンヴァース夫人もぜひ観ておきたくてチケットを取りました。 涼風真世のダンヴァース夫人の好評をネットで散見するにつけ、期待が膨らんでいました。とても「怖い」ダンヴァース夫人であるという感想をたくさんのブログで目にしていたので、どれほどすごいのだろうと楽しみにしていました。 マンダレイの屋敷で「わたし」を迎える初登場のシーン。(オープニングにダンヴァース夫人も舞台に出ているので、厳密には...... more
2010・5・9 帝国劇場 「レベッカ」 【スタッフ】 脚本・歌詞: ミヒャエル・クンツェ 音楽: シルヴェスター・リーヴァイ 原作: ダフネ・デュ・モーリア 演出: 山田和也 翻訳・訳詞:竜真知子 音楽監督:甲斐正人 歌唱指導:山口正義・ちあき しん 美術:伊藤保恵 照明:成瀬一裕 衣裳:小峰リリー ヘアメイク:川端恵理子 ( スタジオAD) 音響:本間俊哉 ステージング:田井中智子 オーケストラ:(株)ダット・ミュージック・東宝...... more
以前、TVで彼の舞台を見たことがあるけど、そのときはフツーでしたけどね。
ただ、NHK大河『篤姫』の島津久光役を観たときに、変わった喋り方(なんか台詞のリズムが変。笑)をする人だなぁ~と思ったことがあるのをふと思い出しました。
映画版は子供の頃からテレビで何度も観てるんで、ミュージカルってのが全く想像できない…
しかし一緒かどうか知りませんが、映画を観る限りでは拍子抜けするオチなんですよね。私個人はヒッチコックにしてはいまひとつな作品としてカテゴライズしてます。
それよりウルトラQ関係のコメント返しでびっくり。
≫そういや今はカラーライズが進んでるみたいですねー。
…知らなかった…でもあれはモノクロだからいいのに。また勘違いしてるな、円谷。
クモ男爵で例の“巨人の手”までもカラーにしたらどうなんの?みたいな。
良く知らないのですが、多分オチは原作も映画も舞台も同じだと思います。
実はレベッカが○○だった、というヤツですね。
屋敷が焼け落ちるシーンは、本物の火を使ったりで、かなり意欲的な演出でした。
ミュージカルというのは、見慣れてしまうとかなりの題材でも、観ていて違和感はあまり感じないようになるんだと思います。
『ウルトラQ』のカラー化は、時代の流れでしょうね。
オリジナルはそのままに残す、という条件付きでOKだと思ってます。きちんと考証をやり、それなりの立場の人が監修するというのならば。
その結果、作品を見る人が増えるならば、作品にとっても幸せなんじゃないかなあ。
『Q』が『ウルトラマン』や『セブン』に比べて扱いや知名度が低いのは、白黒だからという要因は大きいはずですし。
シルビアさんの存在感は圧巻でした。ダンバース夫人が主役かとおもった位です。
山口さんを楽しむなら、エリザベートをお勧めします。
しかし。シルビアさんはさすがでした。
コメント、有難うございます。
なるほど、確かにマキシムはある意味ヘタレじゃないと物語が成り立たないですからねえ。
『エリザベート』は是非一度観たいので、チケットを頼んでいるのですが、どうなりますことやら。
もっとも山口さんの回に当たるかどうかはわかりませんが・・・。