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『エド・ウッド』(1994)

史上最低の映画監督との悪名の高い、エドワード・D・ウッドJr.の伝記を、タッチストーン・ピクチャーズ(ということはディズニー資本)の製作、ティム・バートンの監督、ジョニー・デップの主演に、マーティン・ランドーやら、パトリシア・アークエットやら、サラ・ジェシカ・パーカーやら、ビル・マーレイやら、ジェフリー・ジョーンズやら豪華な顔触れをかき集めて作り上げた怪作。

『エド・ウッド』(1994)_e0033570_2216366.jpg映画は終始ジョニー・デップが演じるヘンな人を追い掛け、彼の周囲に集うやっぱりヘンな人たちを映し出す。
全篇モノクロ映像で、映画に対する情熱は誰にも負けないものの、運や才能には見放された一人の男を描いた悲喜劇、と言ったらいいのかなあ。
ただ、決して楽観出来る状況ではないにも関わらず、多少の落ち込みは経験するものの、自信たっぷりで常にポジティブ・シンキングなエドのキャラクターは羨ましいし、憧れる。
女装癖はタンマだけれども。

この映画がどのくらい事実に基づいていて、そして本物のエド・ウッドがどれだけ魅力的だったのかは知らないけれど(オーソン・ウェルズと出会って励まされる件は完全にフィクションの由)、写真を見る限りデップはかなり雰囲気を掴んでいるようだし、他のキャスト陣もソックリ。
中でもマーティン・ランドー扮するベラ・ルゴシは出色で、アカデミー賞助演男優賞受賞も頷ける熱演ぶりである。

生前には全く無名だったエド・ウッドは、その死後に「作品があまりにもバカバカしすぎる」として逆に再評価された人だが、「くだらない映画を笑いながら楽しむ」という感覚はやっぱりアメリカ? 
言われるほど日本人は生真面目だとは思わないけど、ちょっと日本じゃ無理かも知れない。
しかもそれが大々的に取り上げられるようになるなんて。
こんな人を取り上げようとしたティム・バートンは凄いし(実際は企画を立ち上げたのはプロデューサーを務めたマイケル・レーマンの方らしいけど)、製作にゴーサインを出したタッチストーンのお偉方も凄いと思う。

クライマックスはエドのキャリアの絶頂期とも言える『プラン9・フロム・アウタースペース』完成で終わっており、公開当時に観に行った際もハッピーエンドの印象を受けていたけれど、実はこの後エドの転落人生が加速していったとのこと。
そういった知識を得た後で観直すと、ラストシーンの持つ意味が大きく変わって見えてくる。
Tracked from ☆彡映画鑑賞日記☆彡 at 2010-04-22 22:35
タイトル : エド・ウッド
 芝居の脚本、演出を手掛けるエド・ウッド(デップ)の夢は映画監督ですが、新作の公演にも誰も取材に来ないし、批評は最悪でなかなかチャンスに恵まれませんでした。  エドの憧れは、26歳で『市民ケーン』を撮ったオーソン・ウェルズなのですが、エドは30歳、恋人のドロ....... more
Tracked from 極私的映画論+α at 2010-04-23 07:31
タイトル : エド・ウッド (1994) ED WOOD  124分
実在の人物です。... more
Tracked from しーの映画たわごと at 2010-04-23 09:14
タイトル : エド・ウッド
実在した映画監督エド・ウッドのお話。 アビエイターで懲りたのに、また同じようなものを借りてしまいました。ジョニーデップ目当てだったんだけど、いまいちパッとしなかったかな。 通称エドウッド。史上最低の映画監督だそうです。4作目の「死霊の盆踊り」はタイト...... more
Tracked from 映画鑑賞★日記・・・ at 2010-04-23 12:51
タイトル : エド・ウッド
『エド・ウッド』史上最低の映画監督のお話。この前「チャーリーとチョコレート工場」を見に行って、ティム・バートンってやっぱりスゴイわぁとテンションが上がっている時に思い出しました。かなり前にジョニー・デップもの買いあさって見ていないDVDがあったことに気づき(....... more
Tracked from まぁず、なにやってんだか at 2010-04-24 13:45
タイトル : エド・ウッド
<ストーリー> 30歳のエド・ウッド(ジョニー・デップ)は、“オーソン・ウェルズは26歳で「市民ケーン」をとった"を座右の銘に、貧しいながらも映画製作の夢に燃えていた。ある日、性転換した男の話を映画化する、と小耳にはさんだ彼は早速プロデューサーに売り込む。「これは僕のための作品です。僕は女装が趣味だから、人に言えない辛さが分かる」と力説するが、バカ扱いされて追い返された。その帰り道でエドは往年の怪奇スター、ベラ・ルゴシ(マーティン・ランドー)と運命的な出会いを果たす。 (goo映画より) (199...... more
Tracked from シェイクで乾杯! at 2010-04-24 21:13
タイトル : エド・ウッド
エド・ウッド1994年度・米・126分 ED WOOD ■監督:ティム・バートン ■出演:ジョニー・デップ/マーティン・ランドー/ビル・マーレー/パトリシア・アークエット ティム・バートンとジョニー・デップのコンビによる作品です。 やっぱり、バートンの独特な世界にジョニーがぴ...... more
Commented by 小夏 at 2010-04-23 10:39 x
タコとの格闘に涙しました・・。いろんな意味で凄い人だな、と。
ベラ・ルゴシご本人が演じたオリジナル作にも興味を惹かれましたね。

とりあえず、エド・ウッド監督作『死霊の盆踊り』を観たいんですが、これがなかなか見付かりません。
・・・当たり前か。(^^;
Commented by odin2099 at 2010-04-23 21:24
劇中引用作品の中では『怪物の花嫁』と『プラン9・フロム・アウタースペース』の2作を観てますけど、その再現度は半端じゃありません。みんなソックリ。
タコと格闘するベラ・ルゴシも本当に哀れ・・・。

『死霊の盆踊り』は残念ながら監督作じゃありません。脚本のみです。
まだ観たことないですが、殆ど『プラン9』の焼き直しだとか。
数年前だったかにDVDも出たと思ったけど、今でも売ってるのかなぁ?
by odin2099 | 2010-04-22 22:16 |  映画感想<ア行> | Trackback(6) | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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