『カールじいさんの空飛ぶ家』(2009)
2010年 04月 26日
だから私は旅に出ます。
というコピーから想像していたのとは全然違う作品でした。
序盤は確かにその雰囲気通り。冒険家のチャールズ・マンツに憧れるカール少年は、ある日空き家で冒険好きの女の子エリーと出会って意気投合。そして大人になった二人は結婚し、空き家を改造して仲睦まじく暮らしているのだけれども、いつしか歳月は過ぎ、とうとうエリーはこの世を去ってしまう。
妻を失って心にぽっかりと穴が空いたカールは、子どもの頃に一緒に冒険の旅に出掛ける約束をしたままだったことを思い出し、家に沢山の風船を取り付け、夢に見た南米の秘境への旅へ!
・・・と、このあたりまでは子ども時代を除けば台詞なし、絵だけで見せる演出で涙腺緩みっぱなしという感じなんですが、いざ旅に出ちゃうといきなりジュール・ヴェルヌもかくや、の大冒険物語へと変貌。
メルヘン・ファンタジーの香りは跡形もなく消え去り、恐竜こそ出て来ないものの、『ロストワールド』っぽい世界が繰り広げられてしまいます。
カールは頑固で偏屈なじいさんになっちゃってるし、ヘンにうるさいガキはまとわりつくし、犬語翻訳機を取り付けられて喋る犬たちは出てくるし、挙句の果てには子ども時代の英雄チャールズ・マンツその人まで登場!
・・・いくつなんだ、あんた?
子ども時代の描写を見てもあんまり運動神経良さそうじゃないし、その後もあんまり体力なさそうに見え、現に杖つきながら歩いているカールじいさんですが、終盤では超人的な大活躍!そしてクライマックスは、「空飛ぶ家」対「飛行船」の大空中戦!!
――オープニングからこの展開が予想出来た人はスゴイと思いますです、はい。
ただ映画としてはかなり面白いです。このギャップも結構ツボかも。
今回は吹替版で鑑賞しましたが、タレント吹き替えじゃないのは嬉しいですね。
カールじいさんが飯塚昭三さんなのはちょっとビックリですが、チャールズ・マンツの大木民夫さんなんて雰囲気。
そして元気少女のエリーを演じているのは・・・おや?コハナちゃん(松元環季)じゃあーりませんか。
声優としてもキャリアのある彼女のこと、好演してます。
その後の二人の短い無言劇で泣けてしまって、むしろもうその後はべつな映画を観てるような気になって…ウォーリーもそうですが、このふたつはどことなく脚本の流れが途中でひっかかるんですよ。
どっちも良い作品だけに気になってしまいましてねえ。なんかオトナの事情が絡んでるのかなあ。
なんか二本立ての映画を観てる気分。
どっちのパートも良かったんですが、通しで観るとどうもまとまり感がないというか、収まりが悪いというか。
「空飛ぶ家」という魅力的なアイテムも活かし切っている訳ではなく、全体的にもったいない感じがしましたね。
なかなか破天荒な展開でしたが、最初の10分がすべてだったかなあとも思いましたです。
ホント、実際に飛んでるシーンはあまり長くないですからね。
そもそも「空飛ぶ家」をタイトルに入れたのは邦題だけで、原題は”UP”という実にシンプルなものですからね。
まぁこの邦題も、決して悪いとは思ってませんけど。





