『歌舞伎のチカラ』 市川染五郎
2010年 05月 15日
ただ評論家や研究家などの専門家、ファン上がりのライター、ベテランの役者さんといった方ではなく、大活躍している若手のスターが語っている、というところにこの本の価値があるんじゃないかと思います。

しかしこの本を読む限りでは、決められた道だから当然、あるいは仕方なくこの道を選んだ、ということではなく、純粋に歌舞伎が好きだから歌舞伎役者を選択する、というのが自然なのかも、と考えさせられました。
それもこれも”環境”がなせる技なのかもしれませんが、「歌舞伎とは無縁の環境で育ったから歌舞伎役者に憧れる」というパターンや、「歌舞伎役者の家に生まれたから、それに反撥する」というのは何となく頭でイメージ出来ても、「自然に」というのはどうにも嘘っぽく思えてならなかったのですが、DNAなんでしょうかね。
巻末には、染五郎本人が温めている新作のプロットが幾つか紹介されています。
なんとも珍妙な(?)力作揃いですが、「伝統」に対する「柔軟」な発想は、これからの歌舞伎への期待を持たせますね。

市川染五郎/著 染五郎さんが紹介する歌舞伎初心者向けの本かな?と思いましたが、なかなか面白そうだったので読んでみました。特に高麗屋贔屓というわけではないですけど、もちろん染五郎さんは注目している若手役者の一人です。 歌舞伎の解説の人などが書く入門書とかも面白く書かれているかと思いますが、役者さん目線で紹介する歌舞伎の型、音楽のこともまた面白かったり。ところどころに書かれている本音に思わずクスっとなることも(笑)お若いから(といっても私よりお兄さんですが^^;)、これから歌舞伎を見たいなとか、現代...... more
最初は全くの入門書かな?と思いましたが、染五郎さんの歌舞伎への思いも感じることができ、なかなか面白かったです。
特に大ファンというわけではないですが、これからも注目したい役者さんの一人です!