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『シャーロック・ホームズの勝利』(1935)

ワトソン夫妻に部屋を譲り、ベイカー街を引き払って隠退生活を送るホームズ。その直前、わざわざ祝福に訪れたモリアーティ教授の動向も気になる中、ワトソンがホームズ宛の手紙を持って訪ねてきた。その手紙は、モリアーティの手下が暗号を使い、偽名で送ってきた犯罪の予告状だったのだ。その時レストレード警部が、殺人事件の捜査に助力を乞うため、ホームズの許へ。事件の陰にモリアーティの存在を感じ取ったホームズだったが、ワトソンもレストレードもそれを妄想だと一笑に付すのだが・・・。

『シャーロック・ホームズの勝利』(1935)_e0033570_6483637.jpgイギリスで作られたコナン・ドイル『恐怖の谷』の映画化作品で、ホームズ役はアーサー・ウォントナー。5本も作られた人気シリーズの4作目とのことで、なるほどホームズっぽい雰囲気だ。ワトソン役はイアン・フレミング・・・って、どっかで聞いたような名前ですな。

以前観た時は原作を読んでことがなかったのでストーリーがチンプンカンプンだった部分もあるが、今回は知った上でその違いを楽しみながら鑑賞。
原作だとホームズが事件を解決する第一部と、その因果関係を語る第二部とにハッキリ分かれてしまうが、この映画版では途中で回想シーンを挟む形で構成。観ているといきなり西部劇になってしまうので驚くが、長大な原作を80分とコンパクトにまとめることに成功している。エピローグ部分が割愛されているので、ハッピーエンドで終わるあたりが原作との大きな違いだが、シリーズ作品の一本だと考えればそれも致し方ないか。
ただ、モリアーティ教授が如何にもな悪人面なのがやや興醒め。知的な犯罪者どころか、これでは単なるギャングの親分だ。
by odin2099 | 2010-05-25 06:48 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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