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『サボテン・ジャック』(1979)

カーク・ダグラス主演、アン・マーグレット、それにアーノルド・シュワルツェネッガー共演のドタバタ西部劇で、監督はハル・ニーダム。

銀行強盗に失敗して投獄された悪漢カクタス・ジャック(カーク・ダグラス)は、当の銀行家から、資産家の娘チャーミング・ジョーンズ(アン・マーグレット)に貸したお金を、途中で奪い取って欲しい、と取引を持ちかけられる。
かくしてジャックは釈放と引き換えに、大金を積んだチャーミングの乗る馬車を執拗につけ狙うのだが、彼女の傍らには彼女の父親が雇った用心棒、ハンサム・ストレンジャー(アーノルド・シュワルツェネッガー)という謎の青年の姿があった・・・!

『サボテン・ジャック』(1979)_e0033570_62439100.jpgのっけからコテコテのギャグが炸裂!
カクタス(サボテン)・ジャックは列車強盗を働くべく崖の上から列車に飛び乗ろうとするのだが、タイミングを誤って通り過ぎた後に落下、てなことは序の口で、落ちてきた岩石に押しつぶされてペッチャンコになったり、仕掛けた罠に自分ではまったり、とお約束のギャグが満載だが、これを全部カーク・ダグラスが身体を張って演じているのだから凄い。完全にマンガの世界だが、これを実写で映像化しているのだから唖然となってしまう。

アン・マーグレットが演じるチャーミング・ジョーンズは、実は結構男好き。ジャックもメロメロになってしまうくらいのグラマー美女なのだが、その魅力もカタブツの正義感ハンサム・ストレンジャーには通用しない。道中何度も彼女はハンサムにモーションを掛けるのだけれども、朴念仁の彼は全く動じないのだ。
シュワちゃんが”ハンサム”かどうかは意見が分かれるところだろうが、西部劇スタイルが全く似合わない彼の朴訥とした演技(なのか地なのか)が、不思議な味わいを作品に与えているのは確かだ。

そうこうしているうちに、何とラストではチャーミング嬢はドジな悪党ジャックの方を選び、シュワちゃん扮するハンサム君は見事に捨てられるというとんでもないハッピーエンドを迎えるのだ。この展開はなかなか読めないだろうなあ・・・?
ただ全体的には演出のエンポが悪く、笑うに笑えない怪作である。
音楽が非常に格好良く、途中途中で挿入される歌(キャラクターのテーマソングで、ナレーション的役割もこなしている)も上手くマッチしてるだけに、実に勿体ない。ジャックの乗る馬(ウィスキーという名前)も実に名演技を見せてくれるのに。
20年ぶりぐらいに観直してみたけど、やっぱり感想は変わらなかった。
Commented by ひめみこ at 2010-06-15 11:40 x
初めまして。
なんだかんだ言っても私もこの作品大好きです。
馬に乗るようになって乗馬シーンがすごいって事に気づきました。
それにやっぱりカークが大好きですから☆
Commented by odin2099 at 2010-06-15 23:35
>ひめみこ様

いらっしゃいませ♪
コメント、有難うございました。
バカバカしいし、ギャグが滑ってる箇所も多々ありますけど、愛すべきおバカ映画だと思っております。
大真面目に作ってますしね。

乗馬、凄いですね。
恐怖感が先に立っちゃって、自分にはちょっと無理かなあ(苦笑)。
by odin2099 | 2010-06-04 06:23 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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