『アバター・オブ・マーズ』(2009)
2010年 06月 07日
そんな彼に与えられた次なる任務は、テレポーテーションで分身を火星に送り、その地を偵察するというものだった。
ジョンは、この星ではヘリウム国とサーク族、二つの勢力が覇権を争っていることを知り、その一方のサーク族に捕えられてしまうが、やがてその能力を彼らに認められその戦士となる。そしてサーク族はヘリウム国の王女デジャー・ソリスを捕えるのだが、ジョンは彼女の口からこの星の秘密を知り、何とか王女を救い出そうとするのだが・・・。
露骨なカバーアートといい、てっきり『アバター』の二番煎じ映画かと思いきや、これはビックリ、<ターザン・シリーズ>や<地底世界(ペルシダー)シリーズ>で知られるエドガー・ライス・バローズの、<火星シリーズ>第一作『火星のプリンセス』の映画化作品だった。原題もしっかりと”PRINCESS OF MARS”である。
ただこの映画版では、「火星」は「火星」でも、「地球」のお隣さんの「火星」ではなく、アルファ・ケンタウリにある「マーズ215」という星にされている。
なんじゃそりゃ?
しっかしこういう邦題を付けたくなる気持ちもわかる。
半身不随の主人公がその分身(アバター)を異世界に送り、そこで大冒険を繰り広げるというものだからだ。ちゃっかり異星のお姫さまとラブラブになっちゃうのも一緒だ。
とはいうものの、この映画がどの程度原作に忠実かは知らないが、実は『火星のプリンセス』こそが『アバター』の元ネタだったりするのだから似てくるのは必然? というより、そこまで考えて映画化したんだろうから、これは製作陣がアッパレだろう。
主役のアントニオ・サバト・Jr.(親子揃ってB級映画スター!)には華がないし、絶世の美女を演じるにはトレイシー・ローズは薹が立ってる気がするし、岩場やどっかの工場かなんかで撮影したっぽい画面は安っぽいけれど、そこかしこのビジュアル・イメージは意外に悪くなく、二大勢力も単純に善悪に分けられている訳でなくてキャラが立っていたりで、90分はそこそこ楽しめる。『アバター』みたいな映画が観たいと思っている人よりは、むしろ『アバター』はどうも・・・という人向きなのかも。
ところで『火星のプリンセス』は昔から映画化の企画が目白押しで、古くはレイ・ハリーハウゼンが計画していたことも。「シンドバッド」シリーズのような感じになったんでしょうかね。
タッチストーンがジョン・マクティアナンの監督、トム・クルーズの主演で企画していたこともあったけど(デジャー・ソリスが確かジュリア・ロバーツだったっけ)頓挫。
その後パラマウントに権利が移り、ロバート・ロドリゲス監督のプロジェクトとして始まり、ケリー・コンラン、スティーブン・ソマーズ、ジョン・ファブローと次々と監督交代劇を繰り返したものの断念、再度ディズニーに戻って(タッチストーンはディズニーのレーベルだ)現在はアンドリュー・スタントン監督で2012年公開予定で製作中。
あちらは超大作になるだろうから比べるのも酷だろうけれど、案外こっちの方が楽しめたりして・・・?
【監督】マーク・アトキンス 【出演】アントニオ・サバト・Jr/トレイシー・ローズ/マット・ラスキー/チャコ・ヴァダケス/ノエル・ペリス/ 【公開日】未公開 【レンタル日】2010/6.2 【製作】アギ..... more
WOWOWでモックバスター(模倣映画)を特集していたときに録画しておいたのを鑑賞しました。このタイトルからも何となくイメージ出来る通りにジェイムズ・キャメロン監督の『アバター』 ...... more
自分は原作を知らなかったのでそれこそアバター繋がりの怖いもの観たさといういつもの癖が出てしまったわけなのですが、結果的にはアジャパーでしたw
けどアバターの元ネタがこの作品の原作と言うことは、むしろこっちが本家?な、なんかややこしいですね^^;(汗
まあアバターを観た後だと尚更手を出したくなってしまうシロモノではありますし、観たら観たで時間返せと言いたくなってしまうような内容ではあるものの、2012年予定のディズニー超大作として公開される前に、比較対象として観ておくとそれほど損は無いかもしれませんね。
火星のプリンセス、持ってますよ。加藤直之氏が心酔する武部本一郎大先生の挿絵に惹かれて、高1の頃に読んだはず…なんですが…
orz... じぇんっっっっじぇん、覚えてません。
覚えてたらアバターの記事書く以前に「こここ、これは〜〜〜!」って大騒ぎしてたはず。一回読んだだけやったんでしょうなあ。これは再読せにゃなるまいて。
DVDのリリース予定をチェックしていて、単純に「お、アバターの肖り作があるぞ」と思っていたのですが、原題を見てビックリ。
僕も原作は未読なんですが、ジェームズ・キャメロンが「影響を受けた作品」とコメントしていたのは知っていたので、B級なりに目聡いなあと感心した次第です。
ディズニーの前座として、結構息の長い展開をするかも知れませんね(笑)。
さすが、お読みでしたか。
昔から何度かチャレンジしようかなと思ってはいるのですが、何となく文章が取っつき難くて、いざとなるとなかなか・・・。
武部画伯のイラストには惹かれるものがありますねぇ。
今は創元推理文庫、じゃなかったSF文庫の方で合本版が出てるから、今度こそ1巻くらいは読んでおこうかな、ディズニーの大作が来る前に。