【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『リンガーズ/ロード・オブ・ザ・ファンズ』(2005)

一言で言えば、ヲタクがヲタクを取材したドキュメンタリー映画。
「リンガーズ」というのはJ.R.R.トールキンが生み出した『指輪物語』の熱心なファンというか、信者のこと。この映画では、そんな信者たちの生態を追っかけている。

ファン大会か何かの会場や、映画『ロード・オブ・ザ・リング』の公開を待つ劇場前の行列で、信者たちが思い思いに語っている映像が主流で、勿論そこにはコスプレした面々も数多い。
洋の東西問わずヲタクなんて似たようなもんだが、この連中に共感出来るならこの映画も愛せるだろうし、「痛い」とか「キモイ」と思っちゃったなら、最後まで観られないかも。
トールキンの生涯を追いかけたり、「中つ国」を考察し、作品内に秘めたテーマを論じたり、といったアカデミックさはここにはない。

e0033570_23535047.jpgただ、映画を観てバカ騒ぎする連中を捉えただけの映画ではなく、『指輪物語』を取り巻くムーブメントそのものにもアプローチはしている。
『ホビットの冒険』刊行当時の反響、そして『指輪物語』発表時のイギリス、そしてアメリカでの熱狂ぶり。映画のヒット以降しか知らないとかなり新鮮というか、驚きの連続。
ヒッピーに受け入れられ”聖典”と崇められたり、ロックと一体化して数々のヒット曲を生みだしたり・・・。個人的にはヒッピーともロックとも『指輪物語』は結びつかないんだけど、これは文化の土壌が違うからかなあ。ミスター・スポックことレナード・ニモイが「ビルボ・バギンズの歌」を歌ったり、ジョン・レノンが『指輪』の映画化を企画していたなんて話、俄かには信じられないもんね。

ランキン=バス・プロが製作した「ホビット」と「王の帰還」のアニメ版、ラルフ・バクシのアニメ映画などなどもサラっと流す一方、ピーター・ジャクソン監督の劇場版にはかなりの敬意を払っている。
監督は勿論のこと、イライジャ・ウッドやイアン・マッケラン、ヴィゴ・モーテンセン、オーランド・ブルーム、ジョン・リス=デイヴィス、ショーン・アスティン、ビリー・ボイドらもインタビューに答え、クライヴ・バーカーやキャメロン・クロウなどにもインタビューしてるのには驚いた。
ちなみに映画のナレーターを務め、インタビューにも登場しているのはドミニク・モナハンだ。
日本語吹替版ではこれら映画版キャストを、浪川大輔や大塚芳忠、有川博ら実際に映画で吹き替えたメンバーがアテテいるという徹底ぶりが嬉しい。
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by odin2099 | 2010-06-23 00:06 |  映画感想<ラ行> | Trackback | Comments(2)
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Commented by しき at 2010-06-24 22:03 x
LOTRは好きでも、そのファンにはまったく興味なかったので(笑)発売当時は無視していたものですが、映画キャストのインタビューや、それを映画と同じ声優さんが日本語吹き替えをしているというのを聞くと、ちょっと食指が動きますね(笑)
ご紹介してくださって、ありがとうございます。
Commented by odin2099 at 2010-06-24 23:02
最初は、単にファンがバカ騒ぎしてるだけの映画なのかと思ってたんですが、意外に真っ当でした。
もっとも出てくる人物は、世間一般的には「真っ当」とは思って貰えない人たちでしょうね(苦笑)。

吹替キャストは良く揃えたなあ、という感じ。
サム、メリー、ピピン、デネソールなんかも・・・!

アンディ・サーキスには吹替がなく、また原作に関しても一家言を持つクリストファー・リーへのインタビューがないのはちょっと淋しいかな。

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