『天聖八剣伝』
2010年 06月 27日
時は流れて明治の初頭。盗人の絢人は彼を慕う見影とつるみ、金持ちから盗んだものを庶民にばら撒いて義賊を気取っていた。彼には、いざという時に胎内から剣が現れるという不思議な力があった。それを<天聖>の力だと教えられた彼だったが、その前に同じ力を持つ者たちが次々と姿を現し――。
昨日はまた天王洲銀河劇場へ行ってきました。
今回はきだつよしの作・演出によるオリジナルの伝奇モノです。
出演は座長の相葉弘樹をはじめ、戸谷公人、馬場良馬、西ノ園達大、大河元気、森久保祥太郎、ダイアモンド☆ユカイ、黒須洋壬といった不思議な(?)顔触れ。
天から力を授かった者たちは「破軍七星」と称され、その力は代々一子相伝で受け継がれるのですが、7人のはずなのに「八剣伝」なのは何故か?・・・というと、それがオチになってもいます。
しかし驚いたのが、観客の殆どが女性だったこと。8~9割が10代から20代ぐらいの若い女性でした。
ここはアイドルのコンサート会場か?!と言いたくなるような感じでしたが、無理もないですかね。
『侍戦隊シンケンジャー』のシンケンブルーこと池波流ノ介を演じた相葉弘樹や、『仮面ライダーディケイド』の仮面ライダーディエンドこと海東大樹役だった戸谷公人、人気声優の森久保祥太郎らが出ているんですもんね。
一般的にはさほど知名度高くないメンバーばかりとは言え、甘かった・・・。男子トイレの一部も急遽女性用に変えられちゃってたし。
ただ、キャーキャーとバカ騒ぎをするだけの人はいなかったので、お芝居そのものは素直に楽しめました。
舞台は二幕構成で、休憩時間10分を含めても2時間強というコンパクトさ。
そしてメインキャラクターが8人もいるワケですから、かなり詰め込み過ぎの感が無きにしも非ずですが、意外にも、と言ったら失礼ながら各人のキャラが立っていて、しかも展開がスピーディーなのでグイグイ引き込まれる感じです。
根本のストーリーは結構暗いですが、全体的にはコミカルなシーンもかなりあり。
<天聖>の末裔たちも、盗賊(絢人と見影)だけでなく、陰陽師(剣持)あり、医師(健志)あり、神父(顕)あり、浪人(権佐)あり、役者(兼光)あり、軍人(間)ありと様々。かつての「破軍七星」七家も、大半は行方知れずという有様で、自分に与えられた力の何たるかを知らない者や、力を持て余している者、自らの野望に溺れる者などてんでんバラバラ。
そこを魔物に付け込まれ、敵味方で争うことになってしまうのですが、クライマックスではようやく八剣士が勢揃いします。
まあ大騒ぎしてる割にスケールはそれほど大きくないような気もしますが、未然に防いだってことなんでしょうけれどね。
冒頭で一つのアクション・シーンがあった後に、垂れ幕でタイトルを表示。更に一人ずつ出てきて見得を切り、その際にキャラクター名と役者名を映し出すというのは実に映画的なオープニングですが、最後も各人が切り結ぶ殺陣のバックに出演者の名前を映す、これまた映画的なエンドクレジット。こういう演出が、若い人には受けるんだろうなあ。
いやー、それにしても相葉弘樹、動きますねー。アクションもダンスも切れがあって舞台映えもします。
酔っぱらうシーンでは「ちゃんちゃんばら~ちゃんばら~」と歌ったり、「一筆奏上!」なんて言ってましたけど、これは台本にあるのかな。それともアドリブ?
再演や続編の構想もあるみたいですが、その際には是非とも観に行きたいものです。
ちなみに客席からの反響を見る限り、一番人気は森久保祥太郎だったかなあ。最近はマルチ・タレント的な声優さん、増えましたねえ。