『ナショナル・コード/陰謀の国家』(2002)
2010年 06月 28日
ラブクラフトやらC.A.スミスやらホラー小説を読み漁りますがピンとこないのですが、そんな時に「ここ行ってみたら?」と変な本屋さんを紹介されます。
本屋さんの名前は「危険な礼拝堂」、聞いただけで怪しさ満開ですが、ここで更に変な連中を紹介され、どんどん陰謀論だとか、アブノーマルな方向へ走ってしまうというミステリーです。

といっても宝探しなんかしませんので、強いて挙げれば『ダ・ヴィンチ・コード』寄りでしょうか。
フリーメイソンやらイルミナティやらシオン修道会やらテンプル騎士団やら、続々と出てきます(名前だけ)。
エジプトの3大ピラミッドの配置はオリオン座の三つ星と一致してるとか、スフィンクスはピラミッドよりも古いとか、グラハム・ハンコックの『神々の指紋』を思い出させるものが出てきたり、JFK暗殺の謎とか、アポロ計画の話とか、エルヴィスは生きているとか、「9」に纏わる謎とか、宇宙人が文明をもたらしたりとか、まるで「世界の七不思議」のフルコースみたいに紹介され、こういうのが大好きな身としてはそれだけで嬉しくなってくるのですが、結局は羅列されるだけ。
途中で『ダ・ヴィンチ・コード』でもお馴染みレンヌ=ル=シャトーの謎が大きく扱われるので、お、そっち方面で攻めるのかと思いきや、こちらも取り敢えず蘊蓄披露しました、程度で尻窄み。やっぱりこの手の作品に大きな期待は禁物だったか・・・。
出てくる人物が皆エキセントリックで、陰謀論者、誇大妄想狂、精神異常者としか呼べないような連中ばかり。
ヒロインは途中から何者かに監視され、彼女が掴んだであろう謎解きの手掛かりが狙われるのですが、それすらも周囲の人間に影響され、彼女自身もおかしくなっちゃった果ての妄想じゃなかろうか、と思えるような展開は、こりゃ新手のサイコスリラーか?
邦題のように、国家が陰謀を行っているという結論に達するでもなく、結局何もわからないまま終わっちゃいます。フィクションはフィクションなりに、嘘でも良いから結論出して欲しいもんですがね。大風呂敷広げたものの、収拾がつかなくなっちゃって途中でぶった切った、てな感じもします。
ただラストシーンを観てから冒頭のシーンを観直すと、全ては仕組まれていたことだったのかな。彼女には同じ謎に挑んだ前任者がいたんじゃないかな、と思える節があるのですが、もしそれが伏線だったとしても全く回収されてません。困ったもんですね。

真顔・真剣に喋り捲る今風若者にぴったりの映画だ。
見ていると日本の民主党議員に見えてくるから笑える作品。
尤も、作品と言うには無理なフィルム、時間、エネルギー他色々
無駄使いだけのゴミ。