『スペース・トレック』(2009)
2010年 07月 01日
遥か未来、宇宙に進出した人類は植民地ならぬ植民星を数々持ち、<自由連合>を結成しています。ところがそれに従わない連中は<クローン枢軸>を名乗り、クローン軍を率いて戦争状態に陥ります。
連合VSクローンの戦いは長く続きましたが、やっと休戦協定が結ばれた、というのが物語上の”今”です。

案の定艦内には不穏な空気が漂い、破壊工作があったり、地球そっくりの未知の惑星での冒険があったり、超新星の爆発に巻き込まれて艦が航行不能に陥ったり、果たして彼らは無事に地球に辿り着けるのか?
――というSFアドベンチャー映画です。
冒頭ではアポロ計画の実写映像などを持ってきて人類の宇宙進出の過程を見せたり、なかなか良い雰囲気で始まるのですが、いざ本編となるとセットも小道具もロケ地も安っぽいし、CG宇宙船は動きがカクカクしているし、大勢乗っているであろう艦なのに、ジャック以外の乗組員は5人、プラス元クローン軍の2人だけしか出て来ないなどお寒い限りです。
クローン軍とか惑星シスとかルーカス司令官とか、臆面もなく『スター・ウォーズ』からも引っ張ってきてますが、クローンそのものはクリンゴン人みたいだし、乗組員にトロイという人物(男ですが)がいたり、艦長と女医が恋仲だったりと、やっぱり『スター・トレック』のモドキです。惑星に降下するために転送装置も使っちゃいます。
それでも何となく雰囲気はそれっぽいので、割り切れば楽しめなくないこともないといえないこともないんじゃないかなあと思いはするものの、やっぱり絶対に微妙であることは疑いのない事実であってそれ故に(以下略)。
ところが問題なのは、オデッセイ号より遥かに巨大な宇宙船が出現し、さぁどうする?!ってとこで唐突に終わっちゃうこと。
おい、これはシリーズ物なのか? TVのパイロット版か何かなのか?
そしてやったらと長いエンドクレジットの中に、何故かメイキングというかNG集も流すという無駄なサービスぶり。
それよりちゃんと結末付けておくれよ。気になって仕方ないじゃんか。

原題:STAR QUEST: THE ODYSSEY公開:2009年劇場未公開製作国:アメリカ上映時間:82分監督・脚本:ジョン・ボネル出演:ダヴィーナ・ジョイ、アダム・リニ、ジェームズ・レイ、ケヴィン・タイ+あらすじ+人類は宇宙最果ての地を目指し銀河の海へ飛び立つが、クローン軍との戦...... more

JUGEMテーマ:映画 制作年:2009年 制作国:アメリカ 上映メディア:劇場未公開 上映時間:95分 原題:STAR QUEST:THE ODYSSEY 配給:トランスフォーマー 監督:ジョン・ボネル 主演:ダヴィナ・ジョイ アダム・リニ ケヴィン・タイ ジェームス・レイ 人類は宇宙最果ての地を目指し銀河の海へ飛び立つが、クローン軍との戦争が勃発 してしまう。厳しい戦いに見事勝利した戦闘艦・オデッセイは宇宙の果てを目指す 旅を...... more

しかも普通の感覚では考えられないお金が動いてるし、まして、さらにそんなのがしっかり海外へ流通してエクスカリバーさんのような“救いの神”によって紹介されるわけです。
けど、こんな企画、どうやって通してるんでしょうね、またどんなひとが「よっしゃよっしゃ、カネ出したる。作れ」とゴーサインを出してるのか。
昔、漫画家を目指してた頃、テレビのひどいアニメや映画を観る度に「もっとマシなもん作るから、僕に脚本描かせろ!」と本気でテレビに叫んでましたが、今もきっと「こ…こんなのにカネ出すなら、なんでオレに…」ってホゾを嚙んでる若い作家がイッパイいると思うんですよね。
ただ、最初から○○みたいな作品をすぐ作れ、安く作れ、便乗しろ、というケースも多く、あちらには明確にそれ専門の製作会社、配給・販売する会社が存在しています。そういう姿勢(映画愛よりも金銭)の方が、いっそ潔いのかも知れませんが。
それで「間違えて借りちゃった~」という層を狙っているワケですが、勿論ワタシは違います。
積極的に借りに、というより狩りに行ってます(笑)。
まぁこれまたひねくれた「映画愛」なのかも知れませんね。
自分なら、というのは確かに昔は良く考えました。今でもそうかな。
自分だったらもっと良い脚本書くとかもっと上手く撮ってみせるとか。
もう少し細かく、このショットとこのショットの間に別のショットを挟むのにとか、このシーンはカットして順番を入れ替えるのにとか、ここに流すのはこの曲じゃなくてあの曲だろとか、そういうのも多いかな。
仮に実際にそういうことが実現し縦しんば自分なりに完成度が高く上手く出来たとしても、やっぱり他人からは非難にさらされちゃうんでしょうねぇ。