『告白』 湊かなえ
2010年 07月 02日
終業式のホームルーム、退職するという女性教師の告白から始まる、章ごとに語り手が変わるモノローグで構成されるドラマ。犯人、犯人の家族、クラスメートと様々な視点から事件が綴られて行きます。
それは、立場が変われば見方が変わる、ということだけではなく、皆が皆、自分の行為の正当性を主張している「だけ」なので、突き合わせてみれば相互に矛盾も出てきます。
誰が本当のことを言っていて、誰が嘘をついているのでしょうか。
それとも皆、他者に対して自己を正当化するために、あるいは自分自身を納得させるために、意図的に、もしくは無意識に嘘をついているのでしょうか。
それとも、それとも・・・?
話題になっていたのでずっと気になっていましたが、文庫になるのを待ってやっと読み終わりました。
ありきたりな少年犯罪の物語でなく、復讐を正当化している訳でも、かといって否定している訳でもない、色々と考えさせられるお話でした。登場人物の誰一人として共感の出来ない、重苦しい救いようのない展開です。
しかしそれと同時に、自分のなかの一部が、それぞれの人物に同調していることにも気付きました。
自分ならどうするでしょう?
殺人犯に対して報復するでしょうか?
仲間外れにされるのは嫌だから、同級生と一緒になっていじめに加担するでしょうか?
そう簡単に答えは出せませんが、そう考え始めると、登場人物たちが皆、ある意味で身近な、自分の分身のような存在に思えてきます。
ミステリー物として捉えると、犯人探しのお話ではありませんし、犯行の動機に関しても「これだ」という結論は提示されません。
そのあたりに違和感を覚える人もいるのではないかと思いますが、強いて言えば人間の”心”が一番ミステリー、ということなのかも知れませんね。
トラックバックを有難うございました
続けて同じ作家の本を買うかとなると気になりつつも暫し思案してしまいます
書くに勇気いる材料ですね
結末というか正解というか、それを提示しないまま終わっているのが上手いというかずるいというか。色々と深読みしてしまいそうです。
そして次の作品も読みたい、と思わせてくれる作家だとも感じました。
ただこの人の作風が皆同じようなものならば、続けて読むのはかなり辛そうです。
気力体力共に充実していて、精神的にも安定している時でないと、読み終わった後が厳しそう・・・。
今年度の邦画の中では1,2位を争うほどの
満足度でした。単純に面白いと一言で
終わらせてはいけないほどの衝撃がありました。
復讐を達成するため、善人でいるのか、自らも
悪人となるのかその境界線を彷徨う松たか子の
演技にも魅了されました。
今度、訪れた際には、
【評価ポイント】~と
ブログの記事の最後に、☆5つがあり
クリックすることで5段階評価ができます。
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映画版、異例のロングラン上映になっていますね。
これで来年の日本アカデミー賞は決まりでしょうか(少なくても何らかの部門で受賞するのではないかと思います)。
邦画が元気なのは喜ばしい限りです。





