『まぼろしの白馬』 エリザベス・グージ
2010年 07月 13日
やがて彼女は、館や彼女とベンジャミン卿の祖先にまつわる伝説を聞き、興味を募らせていくのだったが・・・。

「まぼろしの白馬」って、いかにもファンタジーっぽい題名ですものね。
ところが読んでみると、想像していたのとはかなり違うお話でした。
古い館に謎めいた登場人物、そして何やら訳ありのご先祖様からの因縁・・・とくると、てっきり魔法だとか幽霊だとかそういったもので彩られているのだとばかり思っていたのですが、実は意外に現実にしっかりと根付いたストーリー。
確かに多少は”常ならざること”も起こるのですが、基本は一人の少女が何かに頼るのではなく、しっかりと自分の足で生きて行く様を描いた成長物語なのです。
ハラハラドキドキさせるような展開はありませんが、最後は複雑な因縁も解きほぐし、全員ハッピーエンドの大団円を迎えますのでカタルシスは充分味わえます。
良い意味で裏切られた作品でした。