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『まぼろしの白馬』 エリザベス・グージ

両親を亡くし孤児となった13歳の少女マリアは、まだ見ぬ遠い従兄弟ベンジャミン卿の住むムーンエーカー館へと引き取られることになった。そこには幾つもの謎があり、彼女自身も不思議な体験をする。
やがて彼女は、館や彼女とベンジャミン卿の祖先にまつわる伝説を聞き、興味を募らせていくのだったが・・・。

『まぼろしの白馬』 エリザベス・グージ_e0033570_22245124.jpg「ハリー・ポッター」の作者J.K.ローリング女史の愛読書ということで注目を集めているらしいですが、その前から題名がずっと気になってました。
「まぼろしの白馬」って、いかにもファンタジーっぽい題名ですものね。
ところが読んでみると、想像していたのとはかなり違うお話でした。

古い館に謎めいた登場人物、そして何やら訳ありのご先祖様からの因縁・・・とくると、てっきり魔法だとか幽霊だとかそういったもので彩られているのだとばかり思っていたのですが、実は意外に現実にしっかりと根付いたストーリー。
確かに多少は”常ならざること”も起こるのですが、基本は一人の少女が何かに頼るのではなく、しっかりと自分の足で生きて行く様を描いた成長物語なのです。

ハラハラドキドキさせるような展開はありませんが、最後は複雑な因縁も解きほぐし、全員ハッピーエンドの大団円を迎えますのでカタルシスは充分味わえます。
良い意味で裏切られた作品でした。
by odin2099 | 2010-07-13 22:22 | | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


by Excalibur
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