『クララ・シューマン/愛の協奏曲』(2008)
2010年 07月 15日
体調不良に悩まされ続けるロベルトにとり、ヨハネスは自分の音楽に対する唯一の理解者となり、やがて彼を「後継者」とまで公言するようになる。気難し屋の夫と沢山の子どもを抱えるクララも、ひたすら彼女を崇拝するヨハネスの存在に平安を見出して行く。
だが酒と薬の影響もあって次第に狂気に駆られていくロベルトは、クララとヨハネスの関係を疑うと同時に自分の最大の理解者ヨハネスをクララに奪われるという焦燥感にとり憑かれ、ヨハネスはクララへの愛を隠そうともせず、そしてクララは・・・・・・。

実際にクララとヨハネスが不倫の関係にあったのかどうかは決定的な証拠がなく、現在ではむしろ否定される方向にあるようだが、この映画ではヨハネスにストレートにクララに対する愛を語らせ、クララも言葉では否定するものの満更でもない様子を見せる。というよりもクライマックスでは「ここまで描くか」と驚くようなシーンが登場し、ラストで全てが吹っ切れたかのようなクララが、異様な美しさを見せて幕となるのである。
映画としては確かにわかりやすくはなっているものの、その反面安っぽいメロドラマに堕してしまった感があるのも事実だ。
クララ役のマルティナ・ゲデックは吹き替えなしでピアノ演奏シーンをこなし、二人の音楽家が魅せられたミューズ(女神)を見事に体現。
パスカル・グレゴリーは精神を病んだ男を、マリック・ジディは若者らしい情熱を湛えた男を、それぞれ好演している。
また脚本・監督のヘルマ・サンダース=ブラームスは、名前の通りブラームス一族の末裔。実際はヨハネスの叔父の子孫ということで直接の血縁ではないが(ヨハネスには子どもがいなかったため)、そういう立場でこの微妙な物語を語ったことには大いに興味をそそられる。
ちなみにこの映画で一番最初に流れるのは、有名なロベルト・シューマンのピアノ・コンチェルト。あの『ウルトラセブン』最終回を感動的に盛り上げた曲、というと御存じの方もいるかも知れない。
他にもブラームスの曲や、クララの曲(才能ある女性作曲家でもあった)なども散りばめられており、音楽を聴くだけでも飽きない。

ロベルト・シューマンの妻でありヨハネス・ブラームスにも愛された女性ピアニストのクララ・シューマン。女性が作曲家として評価されることのなかった19世紀の音楽界を舞台に二人の偉大な天才音楽家に愛されたクララ・シューマンを描いた作品です。 出演はその他に、パス....... more


クララ・シューマン 愛の協奏曲 [DVD]出版社/メーカー: アルバトロスメディア: DVD クララ・シューマン。この映画でこの女性のことを初めて知った。 今からほぼ200年も前の1819年に生まれたこの女性が、優れたピアニストであり、天才シューマンの妻であり、母として8人も..... more

{{{ ***STORY*** 2008年 ドイツ=フランス=ハンガリー 満員の聴衆を集めたハンブルグのコンサートホールで、ピアノを演奏するクララを見守る二人の男がいた。名作曲家として名高いクララの夫、ロベルト・シューマンと、無名の天才作曲家であるヨハネス・ブラームス。ヨハネスはその才気と奔放な性格でたちまちシューマン一家に気に入られ、デュッセルドルフで共に暮らすことになった。この奇妙な同居生活の中で、クララ、ロベルト、ヨハネスの心は激しく揺れ動くのだった…。 ...... more

クララ・シューマン 愛の協奏曲 [DVD]/マルティナ・ゲデック,パスカル・グレゴリー,マリック・ジディ ¥3,990 Amazon.co.jp 後世に残る名曲を生み出した作曲家、ロベルト・シューマンの妻、クララは、ピアニストとしてヨーロッパ各地で演奏会を開きながら、精神を... more

ドイツを代表する音楽家のロベルト・シューマンの妻であり、自身も著名なピアニストであったクララ・シューマンの人生を描いた作品。主演はアカデミー賞外国語映画賞を『おくりびと』と争った『バーダー・マインホフ 理想の果てに』でも主演を務めるマルティナ・ゲデック。監督はクララと親しい関係にあったと言われるヨハネス・ブラームスの子孫であるヘルマ・サンダース=ブラームス。もはや存在が歴史です…。... more


2008年:ドイツ+フランス+ハンガリー合作映画、ヘルマ・サンダース=ブラームス 監督&脚本&共同プロデューサー、マルティナ・ゲデック、パスカル・グレゴリー、マリック・ジディ共演。... more

原題:GELIEBTECLARA/CLARA監督・脚本:ヘルマ・サンダース=ブラームス出演:マルティナ・ゲデック、パスカル・グレゴリー、マリック・ジディ鑑賞劇場 : CINECITTA公式サイトはこちら。...... more

シューマンとブラームス。偉大な二人の作曲家の狭間で、自らも音楽に生き、愛に生きたクララの生涯を描く。 ブラームスの末裔に当たるヘルマ・サンダース=ブラームスが撮った。といっても、有名な実話を忠実に纏めているのに好感を持つ。 特に、交響曲「ライン」第1楽章完成後、持病が悪化するシューマンを補佐するクララの涙ぐましい奮闘に焦点が向けられる。 「前代未聞だ」との矛先を交わし「男も女も関係ないでしょう」と、夫に成り代わりタクトを奮うクララ。 「女にしちゃ上出来」との楽員の評を後に、原に寝そべり眺める青...... more
シューマンの人となりを知れましたが、ここは一番、ブラームスでしょう!やっぱ。
あんなおのこの惚れないはずがないです、はい。
あの手術のシーンはいただけませんでしたね。違う方にいくんかい!と思ってしまいました。
手術のシーンはいりませんね。ホラー映画みたい。
なんか手術のせいで、シューマンさんは死んじゃったみたいだし(実際のところは知らんけど)。
ブラームスはいい男すぎるかな。
でも簡単にクララさんがよろめかないから、そこにドラマが生まれるというわけで。
>ウルトラセブン
ここはやっぱり触れておくべきかなあと思いましたです、ハイ(笑)。
最後は脳梅毒となって、結構哀れな死にざまだったようです。