『W/ダブル』
2010年 08月 23日
ある日フランソワーズは、家政婦のルイーズの恋人がリシャールに瓜二つな弟ミシェルだということを知る。正反対に気弱なミシェルは、リシャールの罪を被って服役中だったのだが、模範囚ということで早めに釈放されたのだ。
弁護士サルトーニへの借金を清算するために旅立つリシャールの留守中に、フランソワーズはミシェルをリシャールの身代わりに仕立て、サルトーニに離婚手続きを依頼することを計画。高額な報酬を条件に引き受けたルイーズも、気弱なミシェルを焚きつける。
ところが予定外にリシャールが早めに帰宅。フランソワーズの企みに気付いたリシャールは、ミシェルやルイーズを亡き者にしようとするが、フランソワーズと揉み合ううちに銃が暴発し、リシャールは死亡してしまう。
その死体をミシェルと共に片づけたルイーズは、このまま計画を進めるしかないと提案、更に追加の報酬も要求する。
そこへ離婚手続きの為にサルトーニがやってくる。果たしてフランソワーズたちの企みは成功するのだろうか?
――ところがここから更に二転三転、驚愕の展開が待ち構えているのがこのお話です。
原作はロベール・トマ。
先日この人が原作の『罠』を観に行き、そのどんでん返しを含めて大変楽しんだので、今回の上演を知って期待しつつチケットを取りました。
出演はリシャールとミシェルに橋本さとし、フランソワーズに中越典子、ルイーズに堀内敬子、警察署長のグランジャンにコング桑田、二人の警官に冨森ジャスティンと冨森アンドリュー、そしてサルトーニに山西惇。
演出と上演台本はG2。
ル・テアトル銀座にて鑑賞。
コメディ・サスペンスと紹介されているぐらい、台詞のやり取りだけでなく全体にコミカルな演出が多く、ついついニヤニヤしたり大笑いしながら観ることが出来るのですが、その本質はやはりサスペンス。最後はかなり驚かされます。
これまでは一般的に『一人二役』という邦題で知られてきたそうですし、原題もそれに近いようですが、ただそれだとややネタバレになってしまうかな。いや、もう一捻りあるから大丈夫かな。
構造としては『罠』とちょっと似た部分がありますが、これはこれでアリじゃないかと思います。
来月は名古屋や大阪でも公演があるようなので、ミステリー物がお好きな方ならば観て損はないんじゃないでしょうか。
橋本さとしの二役ぶりや、堀内敬子のコメディエンヌぶりも楽しいですが、最近ちょいと話題の中越典子、最後の最後がこれまた格好良いです。