『情婦』(1957)
2010年 09月 15日
公判が始まった。だが検察側の決定的な証拠も、老獪な弁護士ウィルフリッド卿の手にかかるとその信憑性を失い、一進一退。そこへ弁護側ではなく、”検察側の証人”としてクリスティーヌが召喚される。ところが彼女は夫のアリバイを否定し、偽証するように頼まれたと発言。しかもレナードとは正式な結婚ではなく、別に夫がいることまで明らかにしたことから、一気にレナードの有罪が固まっていく。
彼女の真意を測りかね、反撃の糸口が掴めないウィルフリッド卿だったが、そこへある女性から一本の電話が掛ってきた・・・。

出演はウィルフリッド卿にチャールズ・ロートン、その付添看護婦にエルザ・ランチェスター、レナードにタイロン・パワー、クリスティーネにマレーネ・ディートリッヒ。
ミステリー映画のベストを選ぶとなると10位以内はほぼ確実、ミステリーというカテゴリーを取っ払って映画全体で考えたとしても、やっぱり上位には食い込んでくるんじゃないかと思う。
過去の”名作”というと古ぼけたものもあるけれども、犯人は誰かとか、容疑者は白か黒かという興味だけでなく、最後の最後まで二転三転するストーリー運び、出演者たちの熱演、小道具の使い方等々、何度でも観たいと思わせる傑作。
実際、この作品を観るのは今度が二度目か三度目なんだけれども、最後までだれずに楽しめた。
しかしなんでこんな邦題を付けたのだろう? この題名から内容を想像するのは難しい。
素直に「検察側の証人」のままで良かったんじゃなかろうか。
パワーとディートリッヒのメロドラマとして売りたかったのかなあ。

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20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 情婦 アガサ・クリスティーのミステリー小説「検察側の証人」を1957年に、ビリー・ワイルダーが監督し、映画化した作品です。 金持ちの未亡人殺害事件で、有力な容疑者とされたレナードは、敏腕弁護士... more


『情婦』 ---WITNESS FOR THE PROSECUTION--- 1957年(アメリカ) 監督:ビリー・ワイルダー 出演:タイロン・パワー、マレーネ・ディートリッヒ、チャールズ・ロートン アガサ・クリスティの短編『検察側の証人』の映画化。 金持ちの未亡人を殺害したとして逮捕されたレナード(タイロン・パワー)は無実を証明してくれる凄腕の弁護士ロバーツ(チャールズ・ロートン)に弁護を依頼する。しかし、“検察側の証人”として法廷に立った妻クリスティーネ(マレーネ・ディートリッヒ...... more

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 情婦 原題:『WITNESS FOR THE PROSECUTION』 映画史上に残る衝撃のラストシーン! アガサ・クリスティ原作のミステリーを映画化した、ワイルダー究極のサスペンス! 名画はいつ観ても素晴らし... more

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英国の女流推理小説作家アガサ・クリスティが1932年に短篇小説形式で発表、その後ブロード・ウェイ、ロンドンでロングランされた舞台劇の映画化で、意表を突く結末をもったミステリ ...... more
てことで、トラバもさせていただきました。
今回の放送で思ったのは、タイロン・パワーの演技。うまいんだか、へたなんだかよくわからない。むしろあの臭さが持ち味なのかな。
『血と砂』『愛情物語』でもそうですが、舞台っぽい芝居なんですよね。おおげさというか。
いっときの平幹二郎みたいな感じと言いますか。
逆にビリー・ワイルダーは彼のそういう“ウソくさい”所を逆手にとって、今回の被告役をさせてる気がしてなりません。
彼がウソくさいおかげで、ディートリッヒのいかにも謎めいたキャラから眼をそらす事ができてて、結果としてトリックを読みにくくしてるような。
チャールズ・ロートンもいい。吹き替え版だと雨森雅司さんだったんですよね。看護婦さんが高橋和恵さんだった記憶もある。
タイトル、やはり公開された時代を反映してるんじゃないでしょうか。
そういや今、クリスティー特集組んでますね、NHKは。
雨森さんと高橋和枝さんですかー。どっちも雰囲気ありますね。
DVDには吹替が搭載されていないので、どっかのTV局で放送してくれないかしらん?
法廷場面など台詞の応酬がある映画は、字幕だと付いて行くのが辛いもので。
タイロン・パワーは役柄か演出のせいもあるのかと思いますが、やたら大仰な芝居が気になります。
しかし結果的に(ネタバレになりますけど)”演じている”という解釈からすれば、これで正解なんでしょうね。
一方、マレーネ・ディートリッヒはずーーと”演じて”いて、最後の方にふと”素”に戻る瞬間がありますが、この落差は上手いと思いました。
ただパワーがこの時40代前半でしたっけ?
ディートリッヒに至っては50代半ばですから、本来のキャラクター設定からすれば年齢が上過ぎてミスキャストなんでしょうね。
そういえばアル・パチーノとニコール・キッドマンでしたっけ?リメイクの企画がありましたね。
パチーノはロートンの役を演るつもりだったのかな。
キッドマンは、イメージ的には合ってると思いますが、はたしてここまでの大芝居が打てるかどうか。
観てみたかったとは思いますけど、やっぱりポシャったんでしょうか。
それとは別のリメイク版もありますので、今度はそっちを観てみようと思ってます。
TB、どうもココログに上手く送れないことが多いのですが、届いてますでしょうか・・・?
この映画、やはり”不朽の名作”と呼んで良い作品ですよね。
今回のクリスティー特集には乗り遅れましたけれど、勝手に盛り上がっていきたいな、と思ってます(笑)。
どうぞ宜しくお願いします。
CSとかなら専門チャンネルとかあるんでしょうが万人向けではありませんし、レンタルもいくつものアクションを経なければならず。
やはりNHK-BSだけがクラシック映画の伝道師ですよ。字幕ばかりなのが残念なんですが。
ココログは、こちらには「送った」という記録が残っているのに、実は届いていないということが度々あるのです。
エキブロとの相性はあまり良くないみたい。
NHK-BSはTV情報誌などとランニングタイムが違っていて、タイマー録画しておくとたまにお尻が欠けたりすることがありますし、国会中継などで休止になったり、休止になるならまだいいですけど勝手に時間をずらされたりするので、イマイチ信用が置けないんですよね(苦笑)。