『ナイルに死す』 アガサ・クリスティー
2010年 09月 17日
映画『ナイル殺人事件』の原作小説。
ということは、犯人も知って読んでいたのだけれども、映画を見ているだけでは納得しかねた犯人の心理や動機――一体いつから計画していたのか、どういう気持ちでいたのか、どういう風に計画を組み立てたのか――が、小説を読むことでやっとわかるようになったのが何よりの収穫だった。
勿論、映画版を引き合いに出すまでもなく、巧みに伏線を張り巡らせたエンターテインメント作品であることは間違いないが。
ただ何度か見ている映画版の印象が強すぎたため、それ以外の登場人物たちが、整理されていたり改変されていたりすることもあって、読み進めていく上で意外に手間取ったのは思わぬ弊害だった。