『華麗なるアリバイ』(2008)
2010年 09月 20日
ここのところ『アガサ・クリスティーの奥さまは名探偵』、『ゼロ時間の謎』とフランスを舞台にしたクリスティー作品の映画化が続いているが、これもそのうちの一本。
原作は『ホロー荘の殺人』でポワロ物の一冊だが、後にクリスティー自らポワロの出番を削除した戯曲を執筆、本作でもポワロ、もしくは彼に相当する探偵役は登場しない。
小説にはない第二の殺人、ミスリードを誘うかなり無理のある設定、そしてクライマックスのアクション(?)シーンなどなど最早別物。
何故犯人を庇う人が出てくるのか、記憶障害は本当なのか、病院にいる老患者の存在に何の意味があるのか、映画を観ているだけではさっぱりわからない。
それに「豪華キャストで完全映画化」が謳い文句のようだが、フランス人俳優に疎いこともあって、誰一人魅力的には思えなかった。
出演はミュウ=ミュウ、ランベール・ウィルソン、ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ、ピエール・アルディティ、アンヌ・コンシニ、マチュー・ドゥミ、カテリーナ・ムリーノ、モーリス・ベニシュー、セリーヌ・サレット、エマニュエル・リヴァ、アガット・ボニゼール、ダニー・ブリヤン。
脚本はパスカル・ボニゼールとジェローム・ボジュールの共同で、監督はボニゼール。
なお『奥さまは名探偵』と『ゼロ時間の謎』を撮ったパスカル・トマ監督は、既に同じカトリーヌ・フロとアンドレ・デュソリエを主演に『奥さまは名探偵』の続編を完成させているとのこと。
フランス版クリスティー映画のブームは、まだ当分続くのだろうか。
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元々、謎解きの面白さはない作品だと思いますが、
女優陣の演技合戦は見ていて楽しかったデス。
クリスティ原作のフレンチミステリーって、
CSなんかで放送されてるドラマでも
原作とかけ離れた(犯人が違ったり)モノが
結構多いんです。
コメディ+ラブロマンス仕立てにするというパターンもよくあって。
いかにもオフランスらしい男女の会話や、ネチネチした人間関係なんかが嫌いな人には楽しめない映画かもしれませんね~。
加えて、フランス映画好き、フランス俳優好きな方が楽しめるのは言うまでもありません。
でも、『奥さまは名探偵』よりは面白くありませんでしたか?(←シツコイ!)
でも公開後の評判があんまり良くないので、観るのは断念しようと思っていたんですがね。
やっぱり気になるので行って来ちゃいました。
キャラクターが変えられているから致し方ないんですが、どうも原作を読んで浮かんだイメージとは違う人が多かったのが一番の原因かなあ。
それに登場人物がやたら喫煙するのにもうんざり・・・。
まあこのあたりは好みの問題ですけれど。
『奥さまは名探偵』は、景色が綺麗だなあと思って観ていたからそれほどマイナス・ポイントはないんですが(笑)、こちらにはそれもないし。
フランス映画、合わないのかも知れませんね(汗)。
いかにも、フランスぽい男女の愛憎劇でしたからね〜。
ちょっとクリスティのミステリーとは違う感じですよね。
『奥さまは名探偵』は、たしかに田園風景が
美しかったですよね。続編できるんですねー。
フランスはクリスティが流行ってるのかな〜?
消化不良のキャラが多すぎた気がします。
フィリップとマルトの関係はわからないし、クロエの存在に必然性は感じられないし、フィリップの記憶障害には何の意味があったのか、ジュスヴィエーヌ・エルバンの存在はピエールにとって何なのか、etcetc。
せめて2時間ぐらいは必要だったんじゃないのかなぁ。
『奥さまは名探偵』、続編というかシリーズ第2弾ですね。
来年あたり、日本でも公開してくれると良いですね。
エステルが殺人現場でなぜクレールをかばったのかとか、二人の共謀がどうやって成立したのか、とか、謎が残ったままで、犯人が分かっても全然すっきりしませんでした。ちょっと肩すかしでしたね。
コメント、有難うございました。
そうなんですよね。
そのあたりは原作小説を読むとわかるんですが、映画だけでは何とも・・・。
というより、原作だとエステルにあたるキャラクターだけでなく、他にもクレールにあたるキャラから捜査の目を逸らそうという行動をとる人がいます。
そのあたりでポワロも苦戦するのですが。
TBの件はお気になさらずに。
そういうことって間々ありますねぇ。
フランス映画は結構見てるんで、ご存知の役者さんも5,6人いましたが、ゴージャス・・ってほどでもなかったし・・。
でもお手軽なこの薄っぺらいシリーズは、なんだか続きそうですね。
確かに期待していた作品だっただけに、かなり落胆したのは事実です・・・。
まぁ実際はお手軽ではないんでしょうけれども(苦笑)、そろそろ本場イギリス製の、原作に忠実なヴァージョンも作って欲しいもんです。