『カエサル/「ローマ人の物語」より』
2010年 10月 03日
出演はユリウス・カエサルに松本幸四郎、その暗殺者ブルータスに小澤征悦、エジプトの女王クレオパトラに小島聖、カエサルの後継者オクタヴィアヌスに小西遼生、偉大なる将軍ポンペイウスに瑳川哲朗、カエサル、ポンペイウスと共に三頭政治の一角を担う大富豪クラッススに勝部演之、奴隷娘アリスに水野美紀、哲学者キケロに渡辺いっけい、カエサルの愛人にしてブルータスの母親セルヴィーリアに高橋惠子ら。
日生劇場へ行って来ました。
原作にも興味はあるんですが、何分超大作なものでなかなか手を出せずにいたのですが、言ってみればこれは<カエサル編>のダイジェスト。これならその一端に触れることが出来るんではないかなあという、ちょっと不純な動機ではありますが。
そうなんです。チケットを取る段階では今日からだってこと、知らなかったんですよね(苦笑)。まさかそんな日に当たっていたとは。
客席がザワザワしてましたけど、誰か著名人が観に来ていたんでしょうかね。
舞台は面白かったです。
ローマの歴史には疎いもので、大まかな流れしか知らないのですが、それでもポイントとなる人物は誰で、どういう考え方を持ち、どういう行動を取ったかはきちんとわかるようになっています。
セットも豪華で綺麗だし、小難しいドラマがずーっと続くのかと思いきや、案外笑える場面も多々ありました。まぁ中には狙いとは違う部分で笑いが起きてるような処もありましたけど。
時系列はかなり錯綜していて、最初はいきなりブルータスがカエサルを暗殺した直後から始まり、次がカエサルのガリア遠征に遡ってこれを順に追って行きますが、その中で更に三頭政治の始まりの経緯が回想で挟まれたりもします。
それでも転換は無理がなく、観ていて混乱することもありません。そのあたり、脚本も演出も上手く出来ているなあと感心しました。原作はおそらく時系列順ですよね?
上演時間は第一幕、第二幕共に1時間強で、全部で2時間半強。思っていたよりも短めだったのも好印象でした。
出演者の中で、個人的に注目だったのは檀臣幸。声優としても活躍されていますし、最近では何といっても『仮面ライダーW』の井坂深紅郎のインパクトが強烈でしたね。
出番はそれほど多くはないですが、結構キーとなるキャラクターを演じていて、何より台詞がハッキリ通るので安心してお芝居を見ていられます。
それに引き換え、巻き舌で癖のある発音で、台詞がもの凄く聴きとり難い方がいらっしゃって閉口しました。以前からちょっと気になってはいたのですが、ここまでとは・・・。
あと、初日故なんでしょうか、台詞をトチる方多数。
またカーテンコールの際、水野美紀が引き上げるタイミングを間違い、場内から失笑を買っていたのはお気の毒でした。