【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『世にも怪奇な物語』(1967)

エドガー・アラン・ポーの作品を、3人の監督が撮ったオムニバス映画。

e0033570_6392466.jpg最初のエピソードはロジェ・ヴァディム、パスカル・カズン、ダニエル・ブーランジェの3人が脚本を書き、ロジェ・ヴァディムが当時の妻ジェーン・フォンダとその弟ピーター・フォンダを主演に据えて監督した「黒馬の哭く館」
我儘な伯爵令嬢フレデリックが、自分を袖にした遠縁の貴族の若者に復讐しようと彼の住む屋敷の馬小屋に放火するが、馬を助けようとした青年貴族は焼死。その後彼女は、自分の城に飛び込んできた黒馬に魅せられるようになり、ある日、落雷によって火事の起きた草原を馬に跨り駈けてゆく・・・。

奥さんのジェーン・フォンダのエロティックな肢体を前面に押しだす演出も然ることながら、その惹かれる相手に実弟のピーター・フォンダをキャスティングするというのも倒錯的。
ただラストシーンが今一つ綺麗に決まらないのと、全体的にだれるのが残念。

第二エピソードは脚本ルイ・マル、クレマン・ビドル・ウッド、ダニエル・ブーランジェ、監督がルイ・マルの「影を殺した男」。主演はアラン・ドロンブリジット・バルドー
冷酷で残虐な男ウィリアム・ウィルソンが悪事を働こうとする度、彼と同姓同名の男が現れ、それを邪魔しようとするということが子どもの頃から何度か起こっていた。そして今日も賭場で美しい女を負かし、その肉体を手に入れようとした所へまたも現れ、彼のイカサマを暴露する。そこでウィルソンはもう一人のウィルソンを短剣で刺し殺すが、その時奇妙な言葉を残す・・・。

善悪二人のウィルソンは理性と欲望が分離した姿なのだろうか。ドッペルゲンガーを扱っていて、オチも分かりやすくて三部作中一番のまとまりを見せる。
成長してからのウィルソンはドロンの一人二役だが、子ども時代の二人は似てるようには見えないのは御愛嬌?

第三エピソードの「悪魔の首飾り」フェデリコ・フェリーニの脚本・監督、共同脚本がベルナルディーノ・ザッポーニ、主演はテレンス・スタンプ
アルコール中毒で落ち目の英国俳優が、報酬のフェラーリの新車に釣られ久しぶりの映画出演でイタリアを訪問。TV番組のインタビューを受け、映画祭の授賞式にゲストとして出席するものの、夢とも現実ともつかぬ世界をさまよい続けた揚句、フェラーリに乗って市内を爆走、出口の見えない袋小路に彷徨いこむ・・・。

一般的には一番受けが良いのがこのフェリーニのパートなのだが、観念的すぎて内容がどうも見えてこない。
平たく言えば何が何やらサッパリで、その良さがちっともわからないのはまだまだ映画の見方が甘いということだろうか。
20年位前に一度観ているのだが、上記2作品は比較的覚えていたものの(黒馬に取り憑かれたかのようなジェーン・フォンダの表情や、半裸のブリジット・バルドーを鞭打ちするアラン・ドロンのサディスティックな表情など)、この作品では辛うじて車で市内を暴走するショットを記憶しているだけだった。
ラストの後味の悪さは三作中随一。

ということでこのオムニバス映画、個性的な監督が集っているだけに面白い映画にはなっているのだろうが、各人が個性的すぎてパートがバラバラ、一本の映画として見るとまとまりを欠いているのはこの手の映画の宿命だろう。諸刃の剣である。
以前観た際もトータルでは”凡作”だなあと思ったものだが、20年経っても自分にはちっとも進歩が見られなかったのはちょっと口惜しい。
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by odin2099 | 2010-10-07 06:39 |  映画感想<ヤ行> | Trackback | Comments(2)
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Commented by BC at 2010-10-08 02:19 x
エクスカリバーさん、こんばんは。

この『世にも怪奇な物語』は大阪では10月下旬から特集上映でレイト上映されるんですけど、
映画館で観るほどの内容ではなさそうですね。。。
レンタルDVDで観ておくほうが無難かな。
Commented by odin2099 at 2010-10-08 06:38
いやぁ~、絶賛しておられる方も多いので、単に自分の趣味に合わないだけなのかも・・・(汗)。

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