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『名探偵ポワロ/ブラックコーヒー』

ロンドン郊外にある、著名な科学者クロード・エイモリー卿の邸。
晩餐の後で卿は、家族や客人全員を書斎に集めて「ここにいる誰かが、金庫から重要書類を盗み出した。だが部屋の明かりを消している間に書類を返せば、罪には問わない。」と厳かに告げた。
その時部屋にいたのは、クロードの息子リチャードとその妻ルシア、クロードの妹キャロライン、クロードの姪バーバラ、クロードの私設秘書のレイナー、そして突然の訪問者、ルシアの旧友だというカレリ博士の6人で、彼らに一様に動揺が走る。しかし再び部屋に明かりが戻った時、卿は息絶えていた。
そこへ卿から書類捜索の依頼を受けていたポワロが現れた。
彼の目の前に横たわる死体は、やがて毒殺されたものと判明。何者かが金銭目的で書類を持ち出し、その発覚を恐れて卿を殺害したのだ。
はたして真犯人は誰か?――ポワロの”灰色の脳細胞”が辿り着いたその人物とは?

『名探偵ポワロ/ブラックコーヒー』_e0033570_754354.jpg昨年日本で初演されたアガサ・クリスティーの処女戯曲ですが、今回再演がありましたので観てきました(初演の感想はこちら)。
キャストはエルキュール・ポワロに三波豊和、ルシア・エイモリーに貴城けい、エドワード・レイナーに内海光司、キャロライン・エイモリーに榛名由梨、リチャード・エイモリーに津田英佑、トレッドウェル(執事)に川口啓史、カレリ博士に大嶋守立、アーサー・ヘイスティングス大尉(ポワロの相棒)に村國守平、バーバラ・エイモリーに牧勢海、グレアム医師とジョンソン警部補の二役を安倍康律、クロード・エイモリー卿に江森恭、そしてジャップ警部に倉石功。初演とは半分が入れ替わってます(太字が新キャスト)。
翻訳・保坂磨理子、演出・佐竹修は初演と変わらず。

初演版を観た時は随分と不満だらけでしたが、今回は「こういうお芝居だ」と思って観ていたこともあり、かなり楽しめました。
容疑者は何人もいるのですが、早い段階で何人かは除外でき、残る人物も消去法で行けば真犯人に辿り着けるのではないかと思います。
ただ殺人の方は兎も角、書類を盗み出すタイミングに関してはちょっと分かりづらいかなあ?
・・・というより、2回観たくせに未だによくわかってなかったりします(汗)。

2回目ということもあってか、三波豊和のポワロもだいぶ板に着いた感じで、こうなったら他の作品でもポワロを演じて欲しい・・・のだけれども、他にポワロの出てくる戯曲ってあるのかな。『アクロイド殺し』を他人が戯曲化した作品はあるようだけれども、ポワロ物を戯曲化する際は登場人物変えちゃってるんじゃなかったっけ。
2回目といえば内海光司、他にもクリスティーの戯曲『マウストラップ/ねずみとり』に出てるのを観てますが、この人の芝居って上手いのかなぁ?台詞回しも結構気になるんですけどねぇ。
ちなみにエイモリー卿を演じた江森恭という人物、前回の初演では江森恭一となっていましたが、これって倉石功の変名、ですよね?
『名探偵ポワロ/ブラックコーヒー』_e0033570_7543884.jpg

劇場はシアター1010、北千住駅前のビルの11階にあります。
最初は何のことかわからなかったんですけど、「1010=千住」という洒落ですよね。
そういえば観劇中、地震がありました。
客席はちょっとザワザワしましたが、舞台は何事もなかったかのように進行。多分、震度は2ぐらいだったから、役者さんたちは気付かなかったのかも知れませんね。
それにしても最近、地震が多いなァ。
Tracked from きんちゃんの観劇記(ネタ.. at 2010-10-10 21:10
タイトル : 「名探偵ポワロ(ブラックコーヒー)」
英国の屋敷にて、 金持ちの科学者が殺された。 ほぼ密室の中、部屋には、 彼に関係する数人がいた。 果たして犯人は誰なのか。 ポワロの「灰色の脳細胞」が動き出す。 推理劇は難しいもので、 小説だと、伏線を読み直して 「な...... more
Tracked from きんちゃんの観劇記(ネタ.. at 2010-11-16 23:28
タイトル : 「名探偵ポワロ(ブラックコーヒー)」
英国の屋敷にて、 金持ちの科学者が殺された。 ほぼ密室の中、部屋には、 彼に関係する数人がいた。 果たして犯人は誰なのか。 ポワロの「灰色の脳細胞」が動き出す。 推理劇は難しいもので、 小説だと、伏線を読み直して 「なるほど!」と思うけど 芝居は、元には戻れない。 かといって、伏線をあからさまにしすぎると 犯人がすぐにわかってしまう。 伏線を明示しつつ、 クライマックスで犯人を明かそうとなると かなり緻密な演出が必要となる。 加えて、説明に聞こえない説明台詞を 観客の頭の中に入れるためには 明確な...... more
Commented by JoJo at 2010-10-10 15:58 x
こんにちは~!クリスティの「ブラックコーヒー」、これはエクスカリバーさんの以前の記事で初めて知った作品ですが、また再演されたのですね、ということはけっこう評判がよかったのでしょうか!?

>2回目といえば内海光司
ひょっとしてかつての光ゲンジのメンバーでしょうか!?現在は舞台で頑張ってるのですね~。

来月は「検察側の証人」ですね!レポ楽しみにしてます♪
Commented by odin2099 at 2010-10-10 17:36
結構早い段階で再演が決まったらしいので、きっと評判良かったのでしょう。
というよりも地方公演というのかな、そういう要望があったみたいで、今回は大阪公演もあります。

内海光司は、そう、光GENJI!
・・・といっても、最近は知らない人の方が多いんでしょうな。
SMAPもTOKIOもV6も(年長メンバーたちは)そのバックだったけど、今じゃ皆さん大御所で、もっと若い層が中心だしなあ。

『検察側の証人』もそうですが、『マウストラップ』、『蜘蛛の巣』・・・と、最近クリスティー物のお芝居を追いかけるようになっちゃいました。
他の作品も機会があれば観に行きたいと思ってます。
by odin2099 | 2010-10-10 07:57 | 演劇 | Trackback(2) | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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