『裏側からみた美術史』 宮下規久朗
2010年 12月 11日

美術史のメインストリームからは外れた、例えば巨匠の意外な側面とか、或いは世間一般には知られていないユニークな芸術家を紹介したりだとか、そんな内容なのかなと思ったのだけれども、帯には「指名手配写真を美術館に飾ったら、それはアート?」などという惹句もあったりで、はてさてナニがナニやらさぱりだけれど、ちょっと気になるからと読み始めた。
で、読み終わった今も、結局何が何だかよくわからず仕舞い。
確かに一風変わったエピソードやら事件やらのお話は出てくるものの、よもやま話という訳でもないし、かといってトリビアネタを盛り込んだ蘊蓄話という訳でもない。
体裁は「ちょっといい話」みたいな感じではあるものの、内容はまるで別物である。
まあ幅広い意味で「エッセイ」と呼ぶしかないのだろうな。
元々は資生堂が発行しているPR誌『花椿』の、「美術史ノワール」という連載記事をまとめたものだそうだが(現在も連載中だとか)、とりとめのなさもそれが原因だろうか。