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『マナツの冒険/黄金の石盤』(2007)

仕事人間の父親、誕生日なのに誰にも気付いてもらえない母親、ゲームヲタクで妹萌え(?)の長男、アブない彼氏と付き合ってる長女、そして歳の離れた末妹。平凡でありながら冷え切った一家に、南の島に暮らす義理の弟から誕生日プレゼントが送られてきた。
それは、駒が止まったマス目の課題をクリアしてゴールを目指すボードゲームの一種なのだが、嘘を吐くと罰せられるという危険なゲームでもあった。一度目は見逃されるが二度目は罰ゲームが待っており、そして三度目は誰かが死ぬ・・・。
バラバラな家族はこの試練を乗り越え、ゲームを無事に終わらせることが出来るのだろうか?

『マナツの冒険/黄金の石盤』(2007)_e0033570_2343765.jpg課題には、ヴァーチャルで魚を獲ったり、ボートを漕いだりするような楽しいものもあるけれど、一番の難関は「質問に真実のみで答えろ」というもの。
で、この質問というのが結構シビアで、「何かを盗んだことがあるか」とか、「浮気をしたか」とか、「最近セックスしたことがあるか」なんていうのは可愛い方。
「殺人計画を立てたことがあるか」とか、「親を呪ったことがあるか」とか、「一番下の子供は望んで生まれた子か」だとか、これ家族の前で答えるのはかなりキツイ。
嘘吐けば罰ゲームだし、本当のことを答えれば今度は家族から質問攻めという、残酷極まりないものなのだ。
一応お子さま向けファンタジー映画の部類なんだろうけど、家族で観たら気まずいかも。

途中でゲームの危険性(島の住人たちは皆正直だからゲームは楽しく盛り上がるが、都会人たちは嘘まみれだ)に気付いた叔父さんが、南の島から一生懸命兄の家に、ゲームを取り返そうと駈けつけるドタバタを挟みながら、最後はお約束通り家族の絆が深まってハッピーエンド。
罰ゲームが行われるのが同じセットの使い回しだったり、島がちょこっと出てくる以外はほぼ舞台がリビングルーム一室に限定されているなど低予算っぽい(多分TV用映画だろう)ものの、奇を衒わない演出は好感が持てて、案外面白かったりして。ラストシーンにちょっと含みを持たせているのも、単なる悪戯心なのか、それとも・・・?

ところでこの題名、当然のように『ライラの冒険/黄金の羅針盤』のモドキ。
ドイツ製のファンタジー映画を、『ルルの冒険/黄金の魂』と共に勝手に三部作扱いで同日リリースしてるけど、三部作で映画化されるはずだった本家『ライラの冒険』が一本だけで頓挫しちゃったので、その代わりにこれで許してよ、てなことだろうか。
ただ「ライラ」も「ルル」もヒロインの名前だけど、今回の「マナツ」はゲームの名前。しかもゲームによってとんでもないことが起こり、一度始めると途中で抜け出せず、生命の危険すらあるという展開はどう考えても『ライラの冒険』とは似ても似つかず、これはやっぱり『ジュマンジ』『ザスーラ』と一緒に並べておくべきだろうなあ。
『マナツの冒険/黄金の石盤』(2007)_e0033570_2333195.jpg

ちなみにこの<三部作>、同じメーカーから確信犯的にリリースされたのみならず、パッケージアートの担当者まで同じ人なんだとか。
ここまで徹底すればエライよな。






Tracked from 洋画な日々。 at 2010-12-12 11:15
タイトル : マナツの冒険 ~黄金の石盤~
■監督:エッツァルト・オニーケン■出演:スザンナ・サイモン/マーカス・クナフケン/パスクァーレ・アレアルディ/ステファン・ミエス/エミリア・シュレ■ストーリー呪われたゲーム...... more
by odin2099 | 2010-12-11 23:14 | テレビ | Trackback(1) | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


by Excalibur
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