『エラゴン/遺志を継ぐ者』・・・残念な超大作
2010年 12月 15日
主人公はオーディションで選ばれた新人(エド・スペリーアス君)ですけど、脇を固めるのがレイチェル・ワイズ(声だけ)、ジェレミー・アイアンズ、シエンナ・ギロリー、ロバート・カーライル、ジャイモン・フンスー、ジョン・マルコヴィッチとくれば、これはギャラだけでも相当なもの。
VFXも含めてかなりお金が掛ってるのは明白なので、そこそこのヒットでもダメ、大ヒットしてくれないと辛いでしょうね、これは。
『エラゴン』と『ライラ』はどっちも三部作として期待され、映画化が動き出したのも同じ時期だったので、何となく自分の中でこの2作品はセット扱いになっているので、「ついで」という気持ちでこっちも再鑑賞。
今回もTVでのオンエアー版をチョイス。今年の1月末に「金曜ロードショー」で放送された時のものです。
といっても新しく吹替版が作られた訳じゃなく、劇場公開されDVDにも搭載されているのと同じヴァージョン。DVD持ってるし、10分位カットされてるからわざわざこれを選ぶ必要もなかったんですが、TVサイズにきちっと収まって、なおかつ面白く感じられるかどうかが気になったもので、これを引っ張り出してきました。
ちなみにこの日本語吹替版、タレント吹替だったから敬遠していたんですよね、公開当時。
ジェレミー・アイアンズが有本欽隆で、ロバート・カーライルが家中宏、ジョン・マルコヴィッチが大塚芳忠なのは良いんですけど、なんで主役のエド君が山田孝之で、シエンナ・ギロリーが小雪なんだ?
この二人の起用がどれだけの集客効果を発揮するのか知りませんけど(というか、ヒットしなかったんだから無駄だったんでしょうな)、やっぱりこういうことは本職に任せましょうよ、いい加減。
というわけで、かなりのめり込んだ公開時と違って今回は斜めに観ていたんですが、やっぱりお話が分かりづらいですね、この作品。
原作が物凄く分厚いのに、それをバッサバッサと切り詰めて映画にしちゃったから、世界観やらキャラクターやら背景やらの基本設定が上手く描けていません。
原作ファンならば「あれがない」「これもない」が気になるだろうし、原作未読だと途中で付いていけなくなってしまうかも。これだと、ヒットしなかったのも無理ないのかなあ。
オリジナルの上映時間は104分ですが、倍近い3時間、いやせめて2時間半ぐらいは掛けてじっくり見せて欲しかったものです。
このTV放映版だと更に短くなってるから、尚更チンプンカンプンに感じるかも知れません。
また改めて感じたのは、これって『スター・ウォーズ』に『ロード・オブ・ザ・リング』を掛け合わせたものだなあということ。
エラゴンとローランの関係はフロドとサムっぽいし、エラゴンとアーリアはルークとレイア、ブロムはガンダルフでオビ・ワン=ケノービだし、ガルバトリックスはダース・ヴェイダー、マータグはちょっとハン・ソロっぽくもアナキン・スカイウォーカーっぽくもあるし・・・と挙げていくとキリがありません。そして「名前」を支配して魔法をかける、というのは『ゲド戦記』だし。
だから本来はもっとウケて良かったはずなんですけどね・・・。
ところでこの<ドラゴンライダー>ですが、三部作と言いながらも、実は原作がまだ完結してません。
しかも三部作では収まらなくて四部作になるという話なので、焦って映画化せずに落ち着いてから作れば良かったのかな、という気もします。
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当時はけっこう好きだったんですけど。ファンタジーものって難しいですねぇ。
三部作予定で作られ、原作は三部でも完結しないで四部作になる予定だそうですが、映画の方は一本だけで撃沈です。
キャラクターが顔見せ的にゾロゾロ登場し、さてこれからどうなる?!
・・・という処で終わっちゃってるのはとっても残念なんですがねえ。
やはりこれだけ色々ファンタジー作品が出てくると、観客も食傷気味ってことなんでしょうね。