『ロビン・フッドの戦い』(2009)
2010年 12月 26日
十字軍の遠征でリチャード王が不在で、国政は弟のジョン王子が執っていた頃、謎の怪物が出現し、それを追った代官は殺されるが、怪物も深手を負う。何とその怪物は美しい女性の姿に変貌していた。
その強大な力を目にしたマルコムは怪物を捕えて我が物にしようとし、王に報告すべきとするロバートの父を殺して自ら新しい代官に収まる。
数年後ロバートはシャーウッドの森を根城に、富裕層から財宝を奪っては貧困に苦しむ民に分け与える義賊、”ロビン・フッド”として人気を博していた。
業を煮やした王弟ジョンは更に重税を課してロビンを民衆から引き離そうとし、その命を受けたマルコムは遂にあの怪物を解き放つのだった。
ジャケット等の解説によると、この怪物をドラゴンと記述しているけれど、どっちかというとガーゴイルのイメージに近い。作品中でもドラゴンではなく、単に怪物としか呼ばれていない。
実は”彼女”、シャーウッドの森の更に奥にある”ダークウッドの森”と呼ばれる森の住人である母と外界の人間との混血児で、太陽の光を浴びると怪物に変身してしまうという悲劇のヒロインという属性も併せ持つ複雑なキャラクターで、当然のように(?)変身前後は全裸なのだけれども、残念ながら見えない(見せない)。特にお子様向けの作りじゃないんだけど、TV作品なのかな。結構可愛い女優さん(キャサリン・イザベルという人で、フィルモグラフィーを見ると『フレディVSジェイソン』とか『ウルフマン』とか『ゲド/戦いのはじまり』とか『インクレディブル』とかいった作品名が並んでるけどジャンル女優さんなのかな)なので勿体ないことだ(何が?)。
また彼女と森の住人たちとの因縁話の比重が結構大きいので、肝心の主人公二人、ロビンとマリアンの恋愛模様はかなり唐突。
まあマリアンはそこそこの美人だけど(エリカ・デュランス、『ヤング・スーパーマン』でロイス・レーンを演じてるそうな)、ロビンはヘタレなイモ兄ちゃん(『クルーエル・インテンションズ2』や『スピーシーズ3/禁断の種』のロビン・ダン)だから、何れにせよなかなか盛り上がらないんだけどね。
ともあれ、想像していたよりもファンタジー要素は少なめで、ごくごく普通に剣劇映画になってるのは他作品との差別化という意味じゃマイナスだろう。もっとトンデモ映画になっているかと期待していたのに・・・。
あ、タック修道士が中盤で死んじゃうのは、これは差別化になるのかな。
出演は他にマーク・ギボン、ケイナン・ウィーブ、リチャード・デ・クラークらで、ジュリアン・サンズが悪役を演じ、画面を締めている。監督はピーター・デルイーズ。
スタッフやキャストの顔触れからすると、やっぱりこれはTVドラマかな。