『死海文書 聖書誕生の謎』 和田幹男
2011年 01月 12日

この本でも前書きで『エヴァ』に関しては少し触れられていますし、発見から長らく内容が公表されなかったこともあり、キリスト教の根幹を揺るがす事柄が書かれているため、バチカンが封印しようとしてるのだといった陰謀史観に囚われたりもしてましたが――というか、恥ずかしながら自分の中の認識も似たり寄ったりでしたけど――、そういうものとは無関係なんだよと解きほぐしているのが本書です。
先ずは旧約、新約ひっくるめて「聖書」とは何ぞや、という話から始まり、「死海文書」が発見される過程、そしてその研究が進むにつれどういうことがわかってきたのか、従来知られている「聖書」とはどこがどう違うのかが簡潔にまとめられ、そして最後には「文書」を保管していたのはどういう人々だったのか、に想いを馳せるような構成になっています。
文章は平板で読みやすいですし、トンデモ本のようなものを期待していた人には物足りないでしょうけれど、何となくユダヤ教とキリスト教のことがわかったような気にはさせてくれます。
ただ、これをとっかかりに「聖書」を学ぼうか、という気にはなかなかなれませんがねえ・・・。
自分も新共同訳版を一冊所持してます。
きちんと学べば奥深いのでしょうけど、そこまでの根性はなし。(笑)
創世記や出エジプト記などは、ファンタジーとして読んでも面白いと思いますけど。(←これ冒涜でしょうか。汗)
訳文が取っつきにくいのもあるし、表現がくどいのもあるし、よく読めるなあと(以下略)。
『一個人』とか『Pen』などの雑誌でも「キリスト教入門」とか「キリスト教とは」といった特集やってるくらいですから、実は密かなブームだったり・・・?
世の中が不安定だから宗教に救いを見出して・・・いるわけでもなさそうだけど、なんなんだろうね。
でももしブームがあるとしたら、その根底にあるのは『エヴァ』と『ダ・ヴィンチ・コード』だと思うんだけどな。