『宇宙鉄人キョーダイン』(1976)
2011年 01月 14日

<まんがまつり>というとTVの1挿話をまるごと劇場に掛ける、というイメージを持ってる人も多いだろうけれど、この頃は上映本数が多いので、短くされちゃうこともざらだった。
さて『宇宙鉄人キョーダイン』といえば、ポスト「仮面ライダー」を狙った東映=石ノ森章太郎のヒーロー番組。児童誌での告知段階では「スカイブラザー」だったのが、「キカイ(機械)ダー」や「アクマ(悪魔)イザー」同様に日本語のもじりになっちゃったのでビックリした覚えがある。「キョーダイ(兄弟)ン」とはねぇ。
おまけに数の単位である「京」にも引っ掛けてあって、”1京ダイン”のパワーが出せるとのこと。エンディングテーマで御親切にも「一、十、百、千、万、億、兆、京」と歌ってくれるので、「すげえ、億や兆よりでかい数字なんだあ」と素直に納得したもんだけど、実は「京」は「きょう」ではなく「けい」と読むことを後で知り、石ノ森センセを恨んだり・・・。知ったかぶりで披露してなくて良かったよ、子どもの頃。
お話の発端はこんな具合。
ダダ星人の侵略で、世界的なロボット工学の権威・葉山博士と、譲治・竜治の二人の息子が誘拐されてしまう。
その一年後、残された末弟の健治の前に、二人の記憶や人格をコピーしたロボット「キョーダイン」が現れて、ダダ兵団に立ち向かう、というもの。

『秘密戦隊ゴレンジャー』で複数ヒーロー物が認知されてきているので、色々と差別化を図ったんでしょうね。
ただ今回上映された第3話は、実は1、2話からの連続ストーリー。この辺りの説明部分が端折られちゃったので、いきなり映画館で観た子どもたちには、このロボットヒーローがどういう存在なのかわからなかったんじゃないのかな。
兄の葉山譲治を模したスカイゼルには『突撃!ヒューマン!!』の夏夕介、弟・竜治を模したグランゼルには『仮面ライダー』一文字隼人の佐々木剛を起用するなど、力の入れ具合はなかなかのもの。実際は夏夕介より佐々木剛の方が3歳年上なのだけれど、当時はそんなことを知らなかったので素直に受け入れられたっけ。
また博士の助手で健治の姉代りの白川エツ子に、歌手の堀江美都子を抜擢したのも英断ですね。
たまたまレコードのジャケット写真で彼女の写真を見たことがあり、綺麗な人だなあと思っていたから、番組で見た時はビックリ。この番組で彼女の顔を知った、というオールドファンも少なくないでしょうね。
撮影当時は19歳ぐらいだったと思うけれど、時代が時代だったら、ミッチはその後アイドル扱いされていたのかも。アニメブームが起こって彼女が前面に出るようになるのは、番組が終わった頃からだったのだから。
今観ても、アクション描写はユニークで頑張ってるなあとは思うものの、色々と盛り込まれたギミックが上手く活かされていないのが残念。
TV放映は1年近く続いたものの、多分観てたのは1クールぐらい・・・?
で、『キョーダイン』というと、やっぱり「TVマガジン」に連載されていた成井紀郎の漫画の方が強烈に印象に残っていたりして。


私もリアルタイムでパラパラと観てたはずなんですが、憶えてるのは変形後の兄弟の会話に使ってたギニョールが妙に可笑しかったのと、うっすら憶えてるミッチーのふともも。
記憶はそれきり封印状態だったんですが、『らき☆すた』の第一話EDでこなた役の平野綾ちゃんが熱唱した主題歌で爆発的にED画面を思い出しまして。
けど、その程度ですかねえ。
まあコミカルタッチのアクション物というのが一般的なイメージでしょうけれど、あの『ゴレンジャー』だって設定そのものは結構シリアスだし、途中で殉職者(二代目キレンジャー)まで出してるくらいだから、「明るく楽しい」だけじゃないってことなんでしょうね。