『モスラ3/キングギドラ来襲』(1998)
2011年 03月 23日
もっともゴジラシリーズを一旦休ませ、モスラシリーズを立ち上げた時、果たして何本作る気だったかは不明。
ただ翌年にゴジラを復活させたのは、あくまで同年公開のハリウッド版『GODZILLA』の評判を受けてのもの。4~5本はモスラを作るつもりだったのかも知れないし、はたまた別の怪獣ものを立ち上げていたのかも知れない。結果的に良い潮時だったとは言えると思う。
以下、「しねま宝島」から転載。
お披露目となった東京国際映画祭は大入り、公開初日は立ち見も出る大混雑だったそうだが、ちょっと時間を置いて冬休み真っ只中の土曜の真昼間に行ったところ、場内はガラガラ。夕方からは『踊る大捜査線』に差替えられておりました。やはりモスラにはゴジラの代役は荷が重かったってことだろう。三作目で打ち止めは正解である。
今度の舞台は『1』の北海道、『2』の沖縄に続いて日本のど真ん中、富士の裾野。そして対するはあのキングギドラ!!
『1』ではデスギドラなる新怪獣でお茶を濁していたが、『ゴジラVSキングギドラ』の時のように未来人が産み出した紛い物ではなく、正真正銘の宇宙怪獣リターンズなのだ。
久しぶりに都市破壊シーンもあり、前二作に比べるとなかなか怪獣映画らしくなっている(その分、スタッフが目指したシリーズの方向性からはかなりずれてるんだろう)。
が、それだからこそ、モスラが(徹底的に痛めつけられはするものの)単独で勝利する姿、というのは何か釈然としない。かつてゴジラ・ラドン・モスラの三大怪獣を向こうに回して戦ったように、キングギドラはハンディキャップ・マッチでこそ映えるキャラクター。初登場シーンもあっけなく(大物らしくもっと大見得切って出てきて欲しい)、鳴き声が別物なのもマイナス。
せっかく引力光線使ったり、誕生するシーンがオリジナルへのオマージュに満ちているのだから、ここはやっぱりあの電子音だろうと思うのだが。
ストーリーの方は、もうなんでもありになっちゃってるのでコメントしづらい。
三作通してエリアス姉妹の設定に統一感がないとかそういうレベルではなく、お約束のモスラ大変身、タイムスリップとやりたい放題。今更タイムパラドックスがどうこう言うのもバカらしいぐらいだ。誰かどっかで歯止めかけようよ。
しかもこのタイムスリップした先の白亜紀のシーンは売りのはずなのに、出てくる恐竜さんがチャチ! まるっきり人形劇で興醒めなのが痛い。
てなワケです。
実は三部作中で一番エモーショナルなお話なので入り込みやすいし、やっとエリアス姉妹が物語の中心になるという点でも感情移入しやすかったりもするのだが、「奇跡」「奇跡」のオンパレードは見ていて白けるのも確か。
そのエリアス姉妹だが、当初モル役に宝生舞、ロラ役に小林恵がキャスティングされていたものの、クランクイン直前に宝生舞が(病気で)降板、小林恵がモル役になり、ロラ役に山口紗弥加を当ててシリーズがスタートしたが、この3作目にして山口紗弥加がスケジュールの都合で降板して、建みさとがロラ役になった。山口紗弥加はナレーションとして参加しているものの、画竜点睛を欠いている嫌いがあるのは残念。
今日も今日とてモスラネタ。実家に帰るとパソコンが使いづらくて困る。 「モスラ3 キングギドラ来襲」は平成モスラシリーズの最後を飾る作品。主人公が登校拒否と言う、怪獣物にしては珍しい気がする設定。主人公の成長物語でもあるのかな。 どんなに離れていても心は...... more