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『シャーロック・ホームズ/ボヘミアの艶聞』(2001)

マット・フリューワーがホームズ、ケネス・ウェルシュがワトスンを演じた、ホールマーク社製のシャーロック・ホームズ・シリーズの第2弾か第3弾。

『シャーロック・ホームズ/ボヘミアの艶聞』(2001)_e0033570_21444575.jpgホームズの元を訪れた奇妙な依頼人は、実はドイツの皇太子だった。
彼はかつて高名なオペラ歌手と関係を持ったことがあったが、その際に写真を撮られてしまっていた。もしその写真が世に出れば、ドイツは一大スキャンダルに見舞われてしまう。そこで何とかしてその写真を取り返して欲しいというのである。
ホームズは鍵を握るその元オペラ歌手の調査を開始しようとするが、彼女=アイリーン・アドラーとホームズには過去に因縁があったのだ・・・。

えーと、「ボヘミアの艶聞」ってこんなお話だったっけ?
・・・というくらいゴチャゴチャした展開。

原作は短編だから、ストレートに映像化すれば1時間半の尺には足りなくなるからだろうけれど、ホームズの兄マイクロフトやウィギンズはじめベイカー街不正規隊を出したり、軍事機密の流出問題を絡めたり、とかなりの水増し。
マイクロフトを演じたのはR・H・トムソンだが、ともすればホームズの方が上に見えてしまうし、国家の為なら弟さえ駒の一つとして利用する冷酷さが際立つ、物語上の悪役的位置付けなのもどうかと思う。

また、一般的に女性とは無縁のホームズが、アイリーン嬢の色香に惑わされ、犯罪の片棒を担がされるなど、シャーロッキアンからすれば許し難い冒涜ではなかろうか。
おまけに演じるリリアナ・コモロウスカに今一つ魅力を感じないとなればなおのこと。
ただそれでも1時間半のTVドラマと考えれば、決して楽しめないわけではないのが救い。ホームズのファンでなければ、だが。
by odin2099 | 2011-03-30 21:45 | テレビ | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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