『プロ野球解説者の嘘』 小野俊哉
2011年 04月 10日
「俗説に騙されるな!」と帯にありますが、へー、そうなんだ、というものが色々と出てきます。
例えば6回終わった時点で巨人がリードされている場合、「残り3イニングあるので逆転は十分可能」といったコメントが当たり前になされますし、こちらも「ふんふん、そうだよな」なんて思ってしまいますが、これが2005年のシーズンだったとしたら、6回終了時点でビハインドされた試合での巨人の成績は、なんと1勝71敗1分。
また2005年から2009年まで5年間の両リーグ全体を調べても、6回にリードを許したチームの勝率は僅か.124。
となればこのコメント、ファンに対する気休め以外の何物でもありませんね。
「首位打者と本塁打王がいた横浜が、なぜ最下位だったのか」
「野村克也の説”野球は投手が7割”は真実か」
「イチローが活躍しているのにマリナーズはなぜ弱いのか」
「ヤクルトの外国人選手はなぜ活躍するのか」
「犠打と強打はどちらが点に結びつくのか」
――等々
こういった調子で、プロ野球をぶった切って行く、「目からウロコ」の一冊だと言っても良いでしょう。