『仮面ライダーディケイド/オールライダー対大ショッカー<DC版>』再見
2011年 05月 12日
今度は金田監督のオーディオ・コメンタリー付きで鑑賞。
改めて見ると、やはり公開版より見応えがある作品になっている。
これまで観た「平成仮面ライダー」のDC版は皆そう。付け足して饒舌になった作品はなく、概してより作品の完成度が上がった感じ。これは即ち公開版が舌足らずだということだ。
現在の<スーパー戦隊>映画との二本立て興行を観直し、もう少し上映時間に余裕を持たせるべきではないか。
いや、それとも元の上映時間を長くすれば、それに合わせてまた多めに作ってしまい、また切り詰める羽目になるのだろうか。
この作品、登場人物の造形も、若手中心の役者陣の演技も決して悪くない。
シリーズを重ねて鍛えられたレギュラーメンバーだけでなく、ゲストも十分熱演している。
ただ、根本的な作品の構成の拙さが、それに応えていない。
門矢兄妹の謎、大ショッカーの謎、ライダー大戦の意味、歴代戦士登場の仕組み・・・
肝心の作品世界の構築がサッパリだ。
士が大ショッカーの首領として君臨していたのはいつなのか?
結城丈二との因縁はどれほど前のことなのか?
歴代ライダーは並行世界にほぼ同時期に存在していたのか?
小夜は何故別の世界を見、士はその世界に渡る能力を得たのか?
月影と門矢兄妹との関係は?
海東は全て承知で士に付いて来たのか?
そして鳴滝の目的とその正体は?
「平成仮面ライダー」に整合性や辻褄合わせを期待していけないのは承知だが、それでも得心の行かない「ディケイドの世界」。
別世界と割り切った最近作の方が、まだ潔いかも知れない。
前回の記事はこちら。
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