『ピンクの豹』(1963)
2011年 05月 18日
ヘンリー・マンシーニが作曲したテーマ曲に乗せ、フリッツ・フレミングとデイビッド・デパティーが生み出した豹のアニメキャラクターが動き出す大ヒットシリーズ<ピンク・パンサー>の第1作。
ドジでマヌケなクルーゾー警部を演じているのは勿論ピーター・セラーズで、脚本・監督はブレイク・エドワーズ。
但しこの1作目の主役は、あくまでデイビッド・ニーヴン演じるチャールズ・リットン卿。
クルーゾー夫人のシモーヌは実はチャールズ卿の愛人で、宝石を盗むために二人で計画を立ててダーラ王女に近付くのだが、ダーラはチャールズに惹かれ、チャールズもまたまんざらでもなく、更にチャールズの甥で詐欺師のジョージ・リットンまで現れ、彼は彼でシモーヌに惹かれるという、実にややこしい男女関係が繰り広げられる。
チャールズがファントムだと見抜くなど意外に鋭い一面を見せるクルーゾーだが、愛妻シモーヌがその当の相手と不倫関係にあるとは露ほども疑わないのは鈍いのかそれとも純なのか。
しかもテンポもあまり良くないので中弛みをしてしまうのだが、段々とテンポアップしてくるので終盤はかなり畳み掛ける展開で楽しめる。
作品はヒットし、以降クルーゾーはシリーズ・キャラクターに成長する。