『三銃士』(1993)
2011年 05月 26日
ブライアン・アダムスとロッド・スチュワートとスティングが”三銃士”を気取って歌った主題歌もヒットしたっけ。
お話は、銃士隊に入ろうとパリへ出てきたダルタニアンが、アトス、ポルトス、アラミスの3人と出会って意気投合。王位簒奪を狙うリシュリュー枢機卿の野望から、国王陛下を守ろうと奮闘する、というもので、細部にアレンジが施されたり省略されたりしているものの、大筋は原作に準じております。
他のキャストは、リシュリュー枢機卿にティム・カリー、枢機卿の腹心の悪女ミラディにレベッカ・デ・モーネイ、枢機卿の片腕ロシュフォール伯爵をマイケル・ウィンコット、国宝ルイ13世にヒュー・オコナー、王妃アンにガブリエル・アンウォー、そして王妃の侍女コンスタンスにジュリー・デルピーと、主役同様総じて若い配役。
で、公開当時かなり期待しながら映画館へ行ったんですが、ちょっとなあ・・・。
ガッカリ、とまでは行きませんでしたが、やっぱりダイジェスト版だな、という印象を受けました。
今回観直してもやっぱりそうで、ダルタニアンとコンスタンスは2回しか会わないし、ミラディはあっけなく改心して死んじゃうし、上映時間106分は厳し過ぎる気がします。
ティム・カリーにはカリスマ性がなくて単なる小悪党にしか見えませんし(いや、それが狙いなのかな)、ヒロイン(というほど出番はないけど)のガブリエル・アンウォーとジュリー・デルピーは何だか貧相だし。でもこれってひょっとすると、『ロビン・フッド』のアラン・リックマンやメアリー・エリザベス・マストラントニオを意識してるのかしらん?
ケビン・コスナー主演でヒットした『ロビン・フッド』は、重厚な雰囲気に時折コミカルな要素を挟みこんで成功しましたが、そのラインを狙ってたのかも知れません。
予告編には『ロビン・フッド』の音楽流してたし(どちらの作品も音楽担当はマイケル・ケイメン)、主題歌はブライアン・アダムスが歌ってたし。
一応はダルタニアンと三銃士の活躍は描かれていたし、最後の方では国王と王妃が意外な活躍を見せるし、最後は悪の野望が潰えてメデタシメデタシで終わるから(えーと、リシュリュー枢機卿はどうなっちゃったの?)、ディズニー印のファミリー・ピクチャーとしてはこれで良いのかも知れません。
個人的にはレベッカ・デ・モーネイが色っぽくて良かったなあ。
この頃好きだったんですよね、『ゆりかごを揺らす手』を見て以来。
『ギルティ/罪深き罪』とか『ビジター/欲望の死角』とか『ストレンジャー』とか、彼女目当てで見てたっけ。そういえばこの頃は、ヒラリー・クリントンのソックリさん扱いもされてたこともあったのも懐かしいです。
最初にも書きましたけど4人のキャスティングは良いと思うし、これでシリーズ化して欲しいなと思ったり。
あ、でも原作の「第二部」は20年後が舞台だから、今からでも十分間に合うか。
ただねえ、この原作ってフランスの文豪が書いた作品じゃないですか。
それをアメリカ人主体の俳優さんで映画にすることを、フランスの人たちはどう考えているのでしょうか?
例えば『忠臣蔵』を同じアジア系とはいえ全てタイとかインドの俳優さんで映画化されたら、われわれはかなり違和感を覚えると思うのですが・・・。
いや、日本には入ってこないだけで多分フランス本国版の三銃士ちうかダルタニャン物語そのものがあると思うんですけどねえ。
かくいう私は原作大好きなんですが、今まで納得できた三銃士を観たことがない。どれも物足りない。特にキャラがみな未消化。もしかして一番マシなのは三谷版かも知れない…もちろんあくまで完全アレンジオリジナル版としてですが。
反対にデカプリオの『仮面の男』における老けた四銃士の描写やスタンスが結構好きだったりします。そこだけですが。
もしダルタニャン物語に本国版があるなら、いつかBSで『大聖堂』みたいにしてイッキに放映してもらえんもんか…。
『モンテ・クリスト伯』もそうなんですが、本国での映像化はかえってハードルが高いのかも知れませんね。
で、『三銃士』の映像化ですが、私もそれほど見ている訳ではないのですが、キャストだけに限れば今回のメンツ、割と好きですねえ。
また仰る通り『仮面の男』の4人も渋くて良いと思います。
お話はアレンジし過ぎの嫌いがありますけれども。