人気ブログランキング | 話題のタグを見る

『飛びだす冒険映画 赤影』(1969)

豊臣秀吉がまだ木下藤吉郎だった頃、琵琶湖の南に「金目教」という怪しい宗教が流行っていた。
それを信じない者は、恐ろしい祟りに見舞われるという。
その正体は何か?
藤吉郎は金目教の秘密を探るため飛騨の国から仮面の忍者を呼んだ。その名は・・・

赤影参上!!」


タイトルに「仮面の忍者」とは付いていませんが、これは<東映まんがまつり>用に製作された『仮面の忍者 赤影』の劇場公開版です。
TVシリーズ第一部「金目教篇」全13話の内、1~6話までを再編集。一部新撮シーンも加えて52分のちょっとした大作に仕上げています。

『飛びだす冒険映画 赤影』(1969)_e0033570_23245832.jpg本放送だったか再放送だったかわかりませんけれど、『赤影』は夢中になって観ていた・・・らしいです。
「らしい」というのは殆ど覚えていないからなんですが、それでも微かに「赤影ごっこ」をやっていた記憶はあるので、やっぱり好きだったんでしょうね。
TVの放送は1967年4月から翌68年の3月までの一年間。
しかしこの劇場版の公開は69年の7月ですから、『赤影』人気の根強さが窺えます。
しかも3D!

この頃は「立体映画」という呼び方の方が相応しいでしょうね。
赤と青のセロファンを貼ったメガネで見るという方式で、<まんがまつり>ではその後『飛び出す 人造人間キカイダー』『飛び出す立体映画 イナズマン』の2本が製作されています。
リアルタイムで『イナズマン』を見た時でさえ、その効果は期待したものとは程遠かった印象がありましたが、集客効果はあったんでしょうね、きっと。

出演は、赤影に坂口祐三郎、青影に金子吉延、白影は牧冬吉、甲賀幻妖斎に天津敏。
赤影を招集する竹中半兵衛は、里見浩太朗が演じてました。
その主君である木下藤吉郎役は大辻伺郎ですが、「豊臣秀吉がまだ木下藤吉郎だった頃」というナレーションの言い回しは結構気に入ってます。
監督としてクレジットされているのは、倉田準二と山内鉄也のお二人。

新撮シーンは3D化でのリメイクだけでなく場面繋ぎのショットなども含まれ、赤影や白影、更に幻妖斎も追加撮影には参加してますが、残念ながら青影はいません。
番組終了から一年以上経っちゃっているから仕方ないですね。子役なんだし。
ちなみにこの頃は、『河童の三平 妖怪大作戦』に出演していたんだと思いますが。

この映画版を初めて観たのは今から15~6年ぐらい前にビデオソフト化された時で、その時はダイジェスト臭の強い強引な編集に不満があったりもしたんですが、今観直してみると、いやあ愉しいですな。
荒唐無稽だと眉を顰める向きも多いでしょうが、こういう忍者映画、忍術映画も良いもんです。
海外マーケットも視野に入れて、リメイクしてみたらどうでしょう?

でも「月曜ドラマランド」版のようなバラエティ番組のコントみたいなものや、何を狙ったのかわからない、安藤政信、奥菜恵主演の『RED SHADOW/赤影』みたいな作品になったらイヤだなあ。
そういえばちょこっとしか観たことないですが、TVアニメ版もありましたっけ。
Tracked from ブツクサ徒然ぐさ at 2011-06-08 13:42
タイトル : ヾ(≧∇≦*)〃あ、赤影さあぁ〜ん!
「オオ、青影。」「なんじゃい。もうへばったのか。だらしないぞい」「ちがわぁい。白影さん、オイラ、いーこと思いついたんだ…」ああ、なんてベタで素敵な会話でしょう。... more
Commented by よろづ屋TOM at 2011-06-08 13:51 x
いやあ、リメイク私も大賛成。観てみたいですねえ。
ただし外国人が演じるのだけはNGの方向で。

原作に沿ったというアニメ版は大失敗だったそうですし私も観てませんが、いっそ紀里谷和明氏とかが手がけたらまた全然異なった赤影が見られるかも。

ところでOPのナレーション、四部のどれも大好きですが最初の『藤吉郎は飛騨の国から』と言っておきながら呼んだのは半兵衛で、赤影や青影が登場したときの藤吉郎の台詞は「……知らんなあ」でしたわね。
再放送のたびに突っ込んでしまうシーンでした。

てなわけで旧記事ですがトラバさせて戴きました。ヽ(´∀`*)
Commented by odin2099 at 2011-06-08 21:07
坂口さんが存命の頃、自ら続編企画を持って歩いたそうですが、実現しないまま亡くなられてしまったとのこと。
京本政樹主演でリメイクだか続編だかの企画(と呼べるほどしっかりしたものだったかは不明ですけど)もあったようで、これがもし実現していればなあ、と思ったこともあります。

例え海外マーケットを意識したとしても、しっかりと時代劇の作れるスタッフ、キャストを揃えないといけませんね。
一般に『赤影』はトンデモ時代劇のイメージなんでしょうけれど、実は東映京都の伝統を受け継いで作られているんですよね。だから面白いんだと思います。
今新作を作るなら、それこそ松平健クラスの人は呼んで欲しいものです。

そういえばこの映画でもそのシーンありますが、確かに藤吉郎は赤影たちを知りませんね。
もっとも竹中半兵衛が呼ぶ方が、より”らしい”気はします。
秘められた存在っぽい感じがしますし。
Commented by 村石太マン&和田 at 2011-06-17 14:25 x
懐かしいです 東映 東宝 映画漫画祭り
坂口祐三郎で 検索しています。赤影 子供ながらに 複雑なストリーというか おもしろかったです。カッコよかった。坂口さんという役者さんの 赤い仮面をつけていない 顔を 僕は 知らないかもしれません。あの髪型と 赤い仮面で すごい2枚目だと 思うのだけれど ウェーブで 調べたら。 坂口さん 大変だったんだなぁと思いました。
Commented by odin2099 at 2011-06-17 22:04
赤影は変装している時など、劇中で何度か仮面を外しています。
検索してみるとその時の画像や、他作品での坂口さんの写真も見つかるのではないでしょうか。
by odin2099 | 2011-06-07 23:30 |  映画感想<カ行> | Trackback(1) | Comments(4)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


by Excalibur