『ハリー・ポッターと秘密の部屋』 J・K・ローリング
2011年 06月 19日
一巻目の『~と賢者の石』のラストで、一学年を修了して夏休みで帰省したハリーたち。物語は、直後の夏休みから始まります。そして新学期。お馴染みのキャラクター達との再会、そして新たなキャラクターの登場という中で、ハリーは新たな事件に巻き込まれてしまいます。次々と襲われる生徒たち。その疑いがハリーにかかります。はたして「秘密の部屋」を開け、災厄を解き放ったのは一体何者なのでしょうか?
例によって様々にちりばめられた伏線、意表をつくどんでん返しといった展開も楽しめる快作で、現在映画製作中ということもあって、予習復習に余念のない方々もいらっしゃることでしょう。
ただ映画の一本目だけ見て、いきなりこの作品から読もうというのはあまり感心しませんね。出来ればきちんと小説の一巻を読むことを強くお奨めします。というのも映画では時間的な制約から端折られている部分が、案外二巻目以降の展開への伏線にもなっているからです。
映画といえば、今回の新キャラクターにギルデロイ・ロックハートという人物がいます。魔女たちの憧れの、魅力的なスマイルを持ったスターで、新しいハリーたちの先生なのですが、この役にヒュー・グラントがオファーされたというニュースが流れておりました。これならイメージもピッタリだなと喜んでいたのですが、残念ながらスケジュールの都合で降板とか。後任はケネス・ブラナーという噂ですが、ちょっとイメージ違いますね。
10年ぶりぐらいに再読しましたけど、結構お話を覚えているもんですね。
というより、これは映画の印象か。
2作目まではかなり原作に忠実に作られてますし、上手くまとめてるなあと感じる部分も多々。
一方で、あれがないこれがない、あそこがこう変えられちゃった、という不満も当然ありますが。
読み直して意外だったのは、ドラコがハーマイオニーに言った悪口”穢れた血”の意味を、原作のハーマイオニーは知らないこと。あれ?そうだっけ。
またこの二作目で、ロンはハーマイオニーのことになるとムキになるシーンが幾つか出てくるんですが、そうかあ、これが伏線だったのかと納得。
ロックハート先生は、やっぱりケネス・ブラナーのイメージじゃないですね。
でも悲しいかな、刷り込み効果で読んでいる時はどうしてもブラナーが演じたロックハートが頭ん中を駆け巡って行きました。