『トキワ荘最後の住人の記録/若きマンガ家たちの青春物語』 山内ジョージ
2011年 08月 03日
この方は東日本漫画研究会の会員で、主に石ノ森章太郎や赤塚不二夫のアシスタントなどをされていた、という経歴をお持ちのよう。
トキワ荘というと、石森・赤塚以外に、手塚治虫、寺田ヒロオ、藤子不二雄、森安直哉、鈴木伸一、水野英子、それに長谷邦夫や永田竹丸、つのだじろう、横田徳男、高井研一郎・・・といった、住んでいた方、頻繁に”通って”来ていた方たちのお名前はスラスラ出てきてしまうほど関連書籍は読んだものですが、それ以外に住み込みで働いていたアシスタントさんがいたというのは初耳でした。一般に”トキワ荘伝説”は、「最後の住人」石ノ森章太郎が転居したところで終わってしまい、その後は第二部とも言うべき”スタジオ・ゼロ時代”へと移行してしまうのですが、その後も石ノ森・赤塚両氏などが仕事場として借り続け、そこに”居住”していた人がいたんですねえ。
”スタジオ・ゼロ時代”を含めて長らく”伝説”に親しんできた自分も、初めて知るエピソードばかり。
かつてのトキワ荘グループが次々と鬼籍に入られるようになってきていますので、貴重な「時代の証人」だと思います。
本郷グループ(ちばてつや、松本零士、牧美也子ら)との交流の話も初めてで、本当に”伝説”になってしまう前に、誰かがきちんと整理してまとめておくべきでしょうね。戦後の日本文化の中の貴重な資料になるでしょうから。





