『柳生一族の陰謀』(1978)
2011年 08月 15日
その中で家光擁立を図る柳生但馬守は、次々と建策を練ってゆく…。
東映が時代劇復興を願い、十何年振りかで作り上げた超大作ということで話題になっていました。
当時小学生だったんですが、これ、映画館で見ています。
誰かに連れて行かれたのではなく、自分で見たがったんですよね。
その後TVドラマにもなり、こちらは第1話はリアルタイムで見て、その後は再放送でチラホラ見たくらいなので、お話が全然違うなあという印象しかありませんが。
それにしてもよくもこんなに、というくらい沢山のキャラクターが出てきます。
家光(松方弘樹)派は但馬守(萬屋錦之介)をはじめ、松平伊豆(高橋悦史)、春日局(中原早苗)、一方の忠長(西郷輝彦)陣営は生母・崇源院(山田五十鈴)に土井大炊頭(芦田伸介)、そして尾張大納言(三船敏郎)。
これに柳生の子供たち――十兵衛(千葉真一)、左門(矢吹二朗)、又十郎(工藤堅太郎)、茜(志穂美悦子)――や、世に出る機会を窺っている根来衆の面々――根来左源太(室田日出男)やハヤテ(真田広之)、マン(浅野真弓)たち――が但馬の命を受けて暗躍しますし、出雲の阿国(大原麗子)は忠長と恋仲だし、名護屋山三郎(原田芳雄)は殆ど間男状態だし、真・新陰流を名乗る小笠原玄信斎(丹波哲郎)は「打倒!柳生一族」をスローガンに忠長に接近してくるし、玄信斎に拾われ、今は歌舞伎役者・猿若勘三郎(中村富十郎)に預けられて女形ととして活躍している雪之丞(中村米吉)は、大奥へ忍び込んで家光暗殺の刺客になるし、家光と忠長の確執を利用し王政復古を目論む宮中には、烏丸少将(成田三樹夫)という公家なのに剣の遣い手がいたり…。
時間の関係であっけなく退場してしまうキャラクターもいますが、各人それなりに見せ場を与えられていますので、その交通整理の手際には感嘆するばかり。
他にも田中浩、中谷一郎、梅津栄、夏八木勲、金子信雄らが出演してますので、画面も豪華で締まった感じがします。
語りは鈴木瑞穂で、佐藤純弥とか角川春樹が出てるのが謎ではありますが。
未読ですが、この作品にはノベライズを担当した松永義弘による続編小説があります。
『続・柳生一族の陰謀(旧題・「斬る/続柳生一族の陰謀」)』と題された作品、今度は家光の異母弟・保科正之が出てきたりで非常に興味深い内容なんですが。
監督 深作欣二 出演 萬屋錦之助 千葉真一 松方弘樹 西郷輝彦 成田三樹夫 大原麗子 つっこみどころ満載の映画である。歌舞伎の創始者出雲の阿国がいるのに、歌舞伎を上演している。一介の芸人の阿国が、3代将軍候補者に恋をしている。その阿国が、尾張大納言に...... more
先日レンタした時代劇の感想文でも。 柳生一族の陰謀 すごく面白かったです。 甘損さんで評価が高いのも頷ける。 話の大方がまとまる忠長の自刃で「広げた風呂敷たたみにかかったな…」 と思った矢先にどんでん返しが待っておりました。 結びかけた風呂敷から家光の生首…... more
東映旧作括りで5本。 ◆『トラック野郎 爆走一番星』丸の内TOEI② 五つ星評価で【★★★★映画なんてうんこちんちんみたいな下品な傑作】 1975年、カラー、96分、多分2回目、鈴木則文監督作品。シリーズ2作目。 見た直後のツイッターの呟き(↓)。 一本芯の通った話がなく、エピソードの羅列で見せるが、これはこれで豪華。あべしずえが綺麗。山城新伍の愛車が「トルコの帝王」って堂々としてていい...... more
エクスカリバーさんはこの作品、映画館でご覧になったのですか。
なんとも羨ましい!
(渋い小学生だったのですね…笑)
それにしても、本当に豪華な顔ぶれの伝奇時代劇ですよね!
時々、ふっと観たくなります。
そして続編小説があるとは知りませんでした。
あらすじによると又十郎が主役のようですが、
ご指摘の通り保科正之も登場だとさらに話が広がりそうです。
再放送含め、『水戸黄門』、『大岡越前』、『江戸を斬る』、『桃太郎侍』、『銭形平次』、『遠山の金さん』、『大江戸捜査網』、『伝七捕物帳』、『新五捕物帳』等々。
その延長線上で「見たい」と思ったようです。
この後、復興時代劇第2弾の『赤穂城断絶』も見に行ってますが、そっちは楽しめなかったなあ(苦笑)。
監督はじめスタッフ、キャストはこの作品直後にSF映画『宇宙からのメッセージ』に参加してる人が多いですが、この雑多なところが東映の魅力かも。
続編は解説によると、柳生宗矩の死後、又十郎宗冬は家光の影武者を押し立てて行こうとするのに対し、老中河部若狭守は保科正之を担ぎ出す、という展開のようです。
何処の馬の骨ともわからぬ影武者よりは、妾腹とはいえ正之の方が遥かに正当な血筋、というわけ。
これに島原の乱が絡んできたりもするようですが・・・・・・収集付くのかな。