『塔の上のラプンツェル』(2010)

この作品、予告編などで面白そうだなあと思い映画館に観に行くつもりだったのですが、震災直後の公開となってしまったため、どうにも映画を観に行く気分になれずそのままになってしまいました。
DVDのレンタルが始まったので、ようやく観ることが出来ましたが、うん、なかなか面白かったです。
原作の「髪長姫」はどういう話なのか今一つ知らないのですが、おそらくディズニー・スタジオは大筋程度しか利用していないのでしょう。なんでもグリム以前の原典版は、とてもお子さまには話せないようなお話だそうですが。
で、こちらのラプンツェルはお姫様ですが、幼い頃に魔女に攫われて塔の中に監禁状態。勿論本人は自分の出生の秘密なんざ知りません。
外の世界は怖いから、決して出ちゃいけないよと魔女(を母親だと思い込んでいる)に言いくるめられて18年。しかし段々と外の世界への憧れが募ってきます。

そんな時、盗賊のフリンが兵士たちに追われ、塔に逃げ込んできます。ラプンツェルは母が留守の隙を見計らい、フリンを道案内に塔の外へと旅立つのですが、魔女はすぐにそれに気付き・・・。
ベタ甘な展開が待ち受けているプリンセス・ストーリーですが、ラプンツェルのキャラクター・デザイン、そして言動が実に可愛らしく、全てを許してしまいそう。存在感があって、絵の美しさに負けていません。
音楽があんまりアラン・メンケンらしくないんですが、それも新境地ということで。
また今回は吹替版をチョイス。タレント吹替は基本的に反対ですが、中川翔子、頑張ってます!
残念ながら歌わせてはもらえなかったようでそちらは小此木麻里の担当ですが、やるなー、しょこたん。彼女主演で舞台版が見たいかも。
オリジナル・ヴォイス・キャストのマンディ・ムーアも気になるのでいずれは原語版でも見たいと思いますが、これは貴重な成功例でしょう。
不朽の悲恋物語の「人魚姫」すら、すごい改作ですから、このくらいへでもないかも。ショコタン、とっても良かったです。
有名古典作品なのでどういうアレンジもありだとは思いますけど、ディズニー作品は影響力が大きいですから、扱いは慎重にしてもらいたいですね。
今の10代20代の人の中には、「人魚姫」が悲劇、悲恋モノだってことを知らない人もいるんじゃないかなあ。
しょこたんのポテンシャルの高さには脱帽です。