『グリーン・ランタン』(2011)
最近映像化に関してはマーベル・コミックに押され気味な感のあるDCコミックが、「スーパーマン」、「バットマン」に次ぐ第三のヒーローとして送りだした。

<グリーン・ランタン>というのは特定個人の名前じゃなく、ガーディアンズ・オブ・ユニバースと称する不老不死の宇宙人たちが、3600に分けた宇宙の各地(セクター)から選んだメンバーから構成された、宇宙規模の警察官たちの総称。地球が属しているのはその内のセクター2814で、地球人で初めての<グリーン・ランタン>に選ばれたのが主人公のハル。ウルトラマンやウルトラセブンたちが所属している宇宙警備隊みたいなもんだろう。
宇宙規模の壮大な設定ではあるものの、仰々しさはなく程良いB級テイストに包まれているので、「ああスタッフはアメコミがわかってるなあ」という感じが伝わって来て嬉しくなる。
色々なものから逃げ出していたハルが、初めて自分自身と正面から向き合う成長モノの要素と、幼馴染で元カノのヒロイン(マスクをしていても、正体がハルだとすぐに見抜いちゃうくらい親しい間柄ってことで)と寄りを戻す話がメインだし、直接の相手となるのもモンスター化してしまったハルの旧友だ。
自分自身には何ら特別な能力はないが、不思議なリングをはめると何でも出来ちゃうという設定、それにデザインのクラシックさに最初はあまり関心を抱けなかったし、DCコミックは「ザ・フラッシュ」や「ワンダー・ウーマン」の映画化も進めていたのでそっちが実現すればなあ、なんて思っていたものだけど、映画を見る限りではこのヒーロー、なかなか良い。3D映画の必然性は全くないけれど。
続編の製作も決まっているらしいが、マーベルの「アベンジャーズ」に対抗して、DCのヒーローチーム「JLA(ジャスティス・リーグ・オブ・アメリカ)」も映画化して、スーパーマンやバットマンたちと共演させてくれないもんだろうか。
もっともこの続編企画、どうも本作が期待ほどの興行成績ではなかったということで、大幅なテコ入れが入るという噂もあるのでちょっと心配。エンドロールでも続編への伏線を堂々と張っていたけれども、もしかすると続編ではなくてリブート(再起動)になる、なんて話も。
せめてライアン・レイノルズのハル・ジョーダンと、キャロル・フェリス役のブレイク・ライブリーは代えないで欲しいんだけど。