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『オーメン2/ダミアン』(1978)

前作『オーメン』のラストから7年後、ダミアンは叔父であるリチャード夫妻に引き取られ、リチャードの息子マークと兄弟同然に育てられ、今は揃って陸軍の幼年学校に通っています。

『オーメン2/ダミアン』(1978)_e0033570_21132414.jpgこの時点でダミアンは、自分が「悪魔の子」だということは知らないんですね。
兄ロバートの死に疑念を抱く叔母のマリオン(ソーン家は三兄弟なんでしょうか)や、博物館の館長チャールズの友人だという女性記者ジョーンなど、ダミアンの正体に気付いた人々が次々と殺されますが、それもダミアンが直接関知している訳ではありません。彼を護ろうとする勢力の仕業ということのようです。映像的にはカラスしか出てきませんが、これが闇の力の象徴なのでしょう。

もっと具体的にダミアンの味方となる人物も登場し、その結果ダミアンは自らの運命を知ることになるのですが、この辺りはちょっと唐突というか、もう少し掘り下げて欲しかったところ。
言われるままに「聖書」の「黙示録」を読み、自分のオツムに「666」の文字を発見して終わりですから。

その後で、ダミアンの正体を知ってしまったマークに、「兄弟として力を貸して欲しい」と懇願するものの断られ、自ら手を下して(初めて)殺害してしまった後で慟哭するシーンがありますが、その場面への伏線としても、もっと葛藤を描くべきではなかったかと思いましたが。

規模としてはダミアンの周囲で変死事件が続発する程度ですから、一般市民のレベルでは異常に気付くべくもないですが、そうやって<反キリスト>の力がじわじわと拡大して行くのだと考えれば、潜在的な恐怖は大きいと思います。ただ、映画としてはそこまで描き切ってはいません。

ダミアンに敵対するものは出てくる度に一人ずつ始末されますし、周囲には味方が一人また一人と登場するというわかりやすい展開ですが、トータルでは平凡な印象しか残りませんでした。
壁画に描かれていた子供とそっくりだから、ダミアンは悪魔の子!という断定も、論拠としてはあまりに薄弱ですし、シナリオを練り、演出にも拘りがあればもう少し面白くなったのではないでしょうか。

ちなみに”エクソシスト”のブーゲンハーゲン役で前作に出演したレオ・マッカーンが、同じ役で冒頭に登場してきて続編への橋渡しをしますが、この映画での最初の犠牲者になってしまいます。せっかく生き残ったのに・・・。

リチャードとアンのソーン夫妻にはウィリアム・ホールデンとリー・グラント、成長したダミアンはジョナサン・スコット=テイラーという少年が演じています。
他の出演者はシルビア・シドニー、ロバート・フォックスウォース、ニコラス・プライヤー、リュー・エアーズ、エリザベス・シェパード、それにランス・ヘンリクセンが出てるんですね。以前観た時は気付かなかったのですが。
監督はドン・テイラー。
音楽のジェリー・ゴールドスミスは続投です、やれやれ・・・。
Tracked from Subterranean.. at 2011-09-13 07:58
タイトル : オーメン2/ダミアン (Damien: Omen II)
監督 ドン・テイラー 主演 ウィリアム・ホールデン 1978年 アメリカ映画 108分 ホラー 採点★★★ 出だしから荒唐無稽な話でアレですが、人間の姿をした悪魔がいるとしますよね?で、ソイツには地位も名声も富もあるとする。そんでもって、ソイツが悪魔だってこと…... more
Tracked from どうせ誰も見てませんから.. at 2013-01-12 18:29
タイトル : 映画「オーメン2 ダミアン」(78年・米)
製作:ハーヴェイ・バーンハード、メイス・ニューフェルド 原案:ハーヴェイ・バーンハード 脚本:スタンリー・マン、マイケル・ホッジス 撮影:ビル・バトラー 音楽:ジェリー・ゴールドスミス 出演:ウィリアム・ホールデン、リー・グラント、ジョナサン・スコット…... more
Tracked from いやいやえん at 2018-12-02 21:43
タイトル : オーメン2/ダミアン
【概略】 両親を亡くし、叔父夫婦に引き取られたダミアンは13歳になり陸軍学校に入学する。またしてもダミアンの秘密を探るものに不可解な死が…。あるきっかけで自分の正体を知ったダミアン。叔父夫婦が真実を知ったとき、目前に迫るものは! ホラー .0★★★☆☆ 美少年で納得のダミアン。自分の力に戸惑っている感じが良い。 そうなんだよね、自分の手を汚すわけではなくて、ダミアンからす...... more
by odin2099 | 2011-09-12 06:06 |  映画感想<ア行> | Trackback(3) | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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