『オーメン2/ダミアン』(1978)
2011年 09月 12日
この時点でダミアンは、自分が「悪魔の子」だということは知らないんですね。
兄ロバートの死に疑念を抱く叔母のマリオン(ソーン家は三兄弟なんでしょうか)や、博物館の館長チャールズの友人だという女性記者ジョーンなど、ダミアンの正体に気付いた人々が次々と殺されますが、それもダミアンが直接関知している訳ではありません。彼を護ろうとする勢力の仕業ということのようです。映像的にはカラスしか出てきませんが、これが闇の力の象徴なのでしょう。
もっと具体的にダミアンの味方となる人物も登場し、その結果ダミアンは自らの運命を知ることになるのですが、この辺りはちょっと唐突というか、もう少し掘り下げて欲しかったところ。
言われるままに「聖書」の「黙示録」を読み、自分のオツムに「666」の文字を発見して終わりですから。
その後で、ダミアンの正体を知ってしまったマークに、「兄弟として力を貸して欲しい」と懇願するものの断られ、自ら手を下して(初めて)殺害してしまった後で慟哭するシーンがありますが、その場面への伏線としても、もっと葛藤を描くべきではなかったかと思いましたが。
規模としてはダミアンの周囲で変死事件が続発する程度ですから、一般市民のレベルでは異常に気付くべくもないですが、そうやって<反キリスト>の力がじわじわと拡大して行くのだと考えれば、潜在的な恐怖は大きいと思います。ただ、映画としてはそこまで描き切ってはいません。
ダミアンに敵対するものは出てくる度に一人ずつ始末されますし、周囲には味方が一人また一人と登場するというわかりやすい展開ですが、トータルでは平凡な印象しか残りませんでした。
壁画に描かれていた子供とそっくりだから、ダミアンは悪魔の子!という断定も、論拠としてはあまりに薄弱ですし、シナリオを練り、演出にも拘りがあればもう少し面白くなったのではないでしょうか。
ちなみに”エクソシスト”のブーゲンハーゲン役で前作に出演したレオ・マッカーンが、同じ役で冒頭に登場してきて続編への橋渡しをしますが、この映画での最初の犠牲者になってしまいます。せっかく生き残ったのに・・・。
リチャードとアンのソーン夫妻にはウィリアム・ホールデンとリー・グラント、成長したダミアンはジョナサン・スコット=テイラーという少年が演じています。
他の出演者はシルビア・シドニー、ロバート・フォックスウォース、ニコラス・プライヤー、リュー・エアーズ、エリザベス・シェパード、それにランス・ヘンリクセンが出てるんですね。以前観た時は気付かなかったのですが。
監督はドン・テイラー。
音楽のジェリー・ゴールドスミスは続投です、やれやれ・・・。
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