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『女王蜂』(1978)

横溝正史の推理小説の映画化作品で、『犬神家の一族』『悪魔の手毬唄』『獄門島』に続いて、市川崑監督が金田一耕助に石坂浩二を起用して製作したシリーズ第4弾。
スケジュールの都合から、松林宗恵監督が助っ人として参加しています(クレジットは「協力監督」)。

『女王蜂』(1978)_e0033570_21585082.jpg岸恵子、司葉子、高峰三枝子と過去3作で犯人役だった女優をずらりと揃え、仲代達矢、新人の中井貴恵、沖雅也、伴淳三郎、レギュラーの加藤武、それに大滝秀治や小林昭二、草笛光子、坂口良子、白石加代子らお馴染みの顔が並んでいる華やかな作品で、カネボウ化粧品とタイアップしていたから、イメージソング(CMソング)も頻繁に流されていましたっけ。映画の中じゃ使われてませんけれど。

しかしながら作品全体の印象は薄く、今回初めて見るわけじゃないのに、どんなお話で誰が犯人だったかすっかり忘れてました・・・。
見終わっても何だかポカ~ン。
クライマックスで金田一探偵が関係者を一堂に集め、これこれこうでと推理を述べ、最後に「犯人は貴方ですね」と名指しするシーンはあるわけですが、その動機も今一つピンと来ません。

いつもと同じようにお得意の過去の因縁だの、複雑な人間関係だのも描かれていますが、「おお、そうだったのか」というほどの重みや深みは感じられませんでした。
しかも些か乱暴な決着の付け方で、作劇上で犯人をすり替え、強引にお涙ちょうだいに持って行ったのはちょっと納得いきませんねえ。
シリーズ中でもあまり評価が高くないようですが、やっぱりそうでしょうね。
Tracked from プロフェッサー・オカピー.. at 2011-09-16 08:57
タイトル : 映画評「女王蜂」
☆☆☆(6点/10点満点中) 1978年日本映画 監督・市川崑 ネタバレあり... more
by odin2099 | 2011-09-15 21:34 |  映画感想<サ行> | Trackback(1) | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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