
遺伝子操作で誕生した恐竜が、次々と人間を襲うというモンスター映画で、
ロジャー・コーマン先生による、スピルバーグ監督作
『ジュラシック・パーク』の便乗作品。
しかしながら主演のマッドサイエンティスト役に、本家『ジュラシック・パーク』のヒロイン、
ローラ・ダーンの実のお母さんダイアン・ラッドを起用し、しかも本家よりも一足早く公開する辺りが流石である。
また単に恐竜が大暴れするパニック映画かと思いきや、実は特殊な細菌をばら撒くことによって人間と恐竜をハイブリッドさせた新種を生み出すことが真の目的だということがわかり、途中から”バイオ・ハザード”物の要素が加味されるあたり侮れない。
実物大のティラノサウルスの模型を作るなど、コーマン作品にしては珍しく金が掛っているが、それが効果的かというとちょっと微妙。
ただそれなりにヒットはしたようで、『ダイナソーズ』、『ジュラシック・ウォーズ』という2本の続編(未見だけど)や『ジュラシック・アマゾネス』などの派生作品も作られた。
きっとせっかく作った模型が勿体ないからだろう。
更にシリーズ3本を切り張りして作った
『ジュラシック・シティ』なる怪作もあるそうな。

原作はハリー・アダム・ナイトの
『恐竜クライシス』。
創元推理文庫で出た翻訳本を持ってるけど、これまた未読。
多分お話は全く違うのだろうなあ。
ただこの小説、発表はマイクル・クライトンの『ジュラシック・パーク』よりは早いらしく、影響を与えた点を指摘する人も多く、そういった意味でもコーマンの着眼点は凄いと言えるのかも。
日本では劇場未公開でビデオスルー。
発売されてすぐに見た記憶があるが、今出ているDVDは
『ダイナソークライシス』に改題。
続編(といってもストーリーは繋がってないそうだが)も合わせて『ダイナソークライシス2』、『~3』に改められているけれど、権利関係かなんかが理由なのかな。

本家よりもグロだしチャチいし、気合を入れて見るような作品じゃないけれど、ストーリーやアイディアは悪くないのでそれなりに見られる一本。
しかしこの救いようのないバッドエンディング、今見ても鬱になるなあ・・・。