『ぬぐ絵画/日本のヌード1880-1945』
2011年 12月 26日

日本の美術における裸体表現の変遷を、有名無名問わず約100点もの作品で見せるという、これまでに例を見なかった大規模展示なのだそうです。
これは絵画に興味がなくても、好奇心に駆られて覗いてみたくなるというもんじゃありませんか。

日本の美術における、といっても明治以降の油彩画に限られており、春画の類はありません。
西洋文化の影響で、日本人の裸体に対する意識がどのように変化していったか、が主眼のようです。

最初はモデルの修正というか補正も行われていたとのこと。
日本人のプロポーションだとなかなか映えなかったのでしょうね、西洋人並みの頭身にアレンジしたりもしたようです。

そして写実的な表現から抽象的な表現に変わり、更にお馴染みの「芸術か猥褻か」という議論にも発展し・・・
今日の我々は果たして成熟した審美眼を持つに至ったのでしょうかね。
併設されている所蔵作品展『近代日本の美術』もヌードに拘り、これまた興味深い作品が多々。


入場料がこの手の展覧会としては格安で(大人\850)、カタログもハンディサイズで安価(\1600)、それほど大々的に宣伝をしている訳でもなさそうなので、場内もゆったりと見ることが出来ました。
”芸術鑑賞”だと言い訳しながらでも、一見の価値はあるんじゃないかと思います。

東京国立近代美術館にて来月15日まで。