『忍びの国』 和田竜
2012年 01月 16日
これも元は映画用の脚本だったという話で、オープニングからして非常に映画的。朝霧の中から四騎の騎馬武者が現れるシーンから始まるなんて、想像するだけでワクワクしてくる。といってもこれをそのまんま映画に置き換えると詰まらないんだろうな、と思う。もし映像化されるならば、更に捻って欲しいもの。一応映画化の企画は動いてはいるようだが。
で、この冒頭から出てくる四人が主人公なのだろうなと思って読み進めていくと、第二章になってまた何人か

子どもの頃から「忍者図鑑」とかその手の本に馴染んでいる身としては、木猿とか小猿とか名乗る忍者が出てきたり、「七宝出」なんて単語が出てくるだけで嬉しくなってくるし、若き日の石川五右衛門とか、食えない百地三太夫などの有名人が出てくるのも良い。
個人的には信長の次男・北畠信雄の描き方が新鮮だった。
将たる器ではない、凡庸というよりも暗愚な人物というイメージで語られることの多いキャラだが、偉大すぎる人物を父に持った哀れな若者という面を強調することで、信雄を取り巻く人物たちを際立たせることにも成功しているようだ。
『のぼうの城』に比べると万人向けとは言い難いし、あまり女性向きでもないと思うが、謀略をめぐらした忍術合戦に興味がお有りの方ならばどうぞ。

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TBありがとうございました。
『のぼうの城』に続いての映画化企画、動いているのですか!?
この方の作品は読みながら映像が浮かびやすいのですが、
映画化されたらそのことが逆効果になりそうで少し不安です…。
それはともかく。
本当に、忍者好きにはテンション上がる物語でしたね。戦闘シーンは特に。
漫画版も原作に忠実で良い作品となっておりました。
そして私もこの作品の信雄が新鮮だったので、
信雄が面白く描かれていそうな作品を探すようになったのですが…
未だに発見できずにおります(苦笑)。
次回作『村上海賊の娘』も楽しみですね!
『のぼうの城』の時もそうで、ちっとも進展してないな、なって思っていたら、いきなり製作発表されたこともありましたから、もしかすると・・・?
反対にポシャった可能性も否定出来ませんけどね(苦笑)。
戦闘シーンは斬新過ぎて(?)、読んでいてあまりイメージが掴めませんでした。
キャラクターに対するイメージもなく、個人的には読んでいてちょっと辛かったのですが、
そうですか、コミック版があるんですね。
それを読むともっと具体的なビジュアルイメージが自分の中でも固まるかな。
おお、そうだ。『小太郎の左腕』も読まなくては。