『暗闇の悪魔/大頭人の襲来』(1957)
2012年 02月 13日
田舎町の若者たちの楽しみと言えば、週末の夜に農場の一角での「恋人たちの丘」と呼ばれる場所でイチャイチャすること。今日も多くのカップルが訪れていたが、その中の一組が帰り道に何と宇宙人を轢殺してしまった。
警察に届けるものの信用してもらえず、あろうことか別の殺人事件の容疑者にされてしまう始末。実はこの人は、空飛ぶ円盤を目撃し、金儲けを目的に近付いたものの、逆に宇宙人に殺されてしまっていたのだが。
大人たちは信用してくれない、ならば、と主人公のカップルは仲間たちを集めて農場へ。
一方空軍も円盤を確認していたが、情報を隠蔽し、秘密裏に処理しようとしていた。
ドライブイン・シアター向けに作られたAIP製作の低予算SF映画の一本で、スケール感はないし、ほのぼのムードの漂う作品です。
お話そのものは結構良く出来ていて、シリアスに作ればかなり怖がらせることも可能だったはずですが、そうしたくても出来なかったのか、それとも最初からコメディ路線を狙っていたのか、さてどっちなんでしょう?
まあ音楽はコミカルだし、語り部が画面外の観客に語りかける演出などを見る限り、最初からコメディ映画と割り切っていたのでしょうかね。
円盤はあっけなく軍に破壊されちゃうし、宇宙人自体は光に弱いという設定で、車のヘッドライトであっけなく消滅しちゃうという脆弱さは、いくらなんでも侵略者としては失格だと思いますが、小柄で大頭、目玉がでっかくギョロっとしているというデザインはなかなか秀逸だと思います。
ガレージキットになったりしてなかなかの人気者ですが、ただ恥ずかしがり屋さんなのか、劇中では隠れてばかりでバッチリと姿を見せてくれないのが残念です。