『舞田ひとみ14歳、放課後ときどき探偵』 歌野晶午
2012年 02月 15日
ひとみちゃんは今は中学2年生、14歳になっています。
収録されているのは、「白+赤=シロ」、「警備員は見た!」、「幽霊は先生」、「電卓男」、「誘拐ポリリズム」、「母」の、前作同様6編。作者曰く「ゆるミス」とのことですが、結構シビアだったり深読みさせる作品が多いような。
文体も軽くて読みやすいのですが、読み応えもかなりのものです。
今回のシリーズ、まず女の子の一人称で始まることでビックリさせられたのですが、更にその女の子が舞田ひとみちゃんじゃ「ない」ことで更にビックリさせられました。
前作はひとみちゃんの叔父さん=舞田歳三刑事が語り部でしたが、今度の語り部は高梨愛美璃という女の子。この娘、小学校時代のひとみちゃんの同級生で、今は別の学校に通っているという設定。
で、彼女が織本凪沙と萩原夏鈴という二人の中学の友人と連んでいる時に偶然ひとみちゃんと再会するというのが発端です。
前作では探偵役ではなく、重大なサジェスチョンを与えるといった役回りだったひとみちゃんですが、今回はかなり積極的に事件に挑んで行きます。彼女の推理には、トシちゃんこと歳三叔父さんも舌を巻いているような。
エミリーちゃんたちとひとみちゃんを、敢えて違う学校にしたのも正解で、学校で起こった不思議な事件も、第三者視点でひとみちゃんが関わるので、解決の糸口が見つかるという寸法です。
お話も、何やら事件が起こり、3人組があーでもないこーでもないと議論を交わし、それでも謎が解けないとなるとひとみちゃんを巻き込んでいく、というのがパターンになっています。
シリーズ第3弾も予定されているようで、次はひとみちゃんも17歳になっている、と予告されています。
来年あたりには読めるのかな。いつまで続くのかわかりませんが、ひとみちゃんの成長を見守っていきたいと思います。
舞田ひとみ14歳、放課後ときどき探偵 (カッパ・ノベルス)著者:歌野 晶午光文社(2010-10-20)販売元:Amazon.co.jpクチコミを見る ゲームとダンスが大好きで、勉強と父親は嫌い。生意気盛り ...... more