『東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 第28回ティアラこうとう定期演奏会』
2012年 02月 25日
ホールの入り口にはちょっとした特徴があるので、中へ入れば記憶が甦って来るのですが。
開演前にはロビーにて弦楽四重奏のプレコンサート(瀧廉太郎の「花」と、「サウンド・オブ・ミュージック」の2曲を演奏)があり、定刻よりやや遅れての開演。まあこれは普通ですね。
先日行った日本フィルのコンサートみたいに、時間ピッタリに始まる方が珍しいほうで。
プログラム前半はエドヴァルド・ハーゲルップ・グリーグ「ペール・ギュント」第1組曲作品46からスタート。この曲をまとめて生で聴くのは初めてかもしれません。
「朝」、「オーゼの死」、「アニトラの踊り」、「山の魔王の宮殿にて」の4曲からなる小組曲ですが、自分がクラシック好きになる切っ掛けの一つなので思い入れが強いですね。本当はこれに続けて第2組曲も聴きたいところなんですが。
二曲目はガラっと変わって西村朗の「光と影の旋律」。初めて聴く曲ですが、これはN響の委嘱作品だそうです。
いわゆる”現代音楽”で、騒音にしか聞こえない”音の洪水”は苦手です。しかもこれが30分近い演奏時間とあって、かなり苦痛でした。
客席には『N響アワー』(来月末で終了、残念!)の司会としてもお馴染みの作曲家本人が、指揮者・岩村力に促されて客席から壇上に上がって挨拶をしてましたが。
プログラム後半は、モデスト・ペトロヴィチ・ムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」(モーリス・ラヴェル編)が取り上げられました。
聴けば聴くほど、この原曲がピアノ曲だったことが信じられなくなります。オーケストラ版の方が馴染み深く、ピアノ版を聴くようになったのが近年になってから、というのも理由の一つではありますが、音楽はメロディーだけではなく、アレンジというものが大切なのだな、と改めて感じさせられます。
天気が悪かったせいなのか、客席には空席が目立ち(端の方とはいえ、1階席のかなり前よりの席に座っていた自分の前後左右は無人でした)、全体的にはちょっと活気のないコンサートでしたね。
休憩時間15分を含めてもトータルで1時間半強、司会者も指揮者のトークも一切なく、アンコールすらないコンサートは、コンパクトな反面どうしても物足りなく感じてしまいました。