『マドンナ・ヴェルデ』 海堂尊
2012年 02月 26日
・・・まあ、無理だろうけど。
それはさておきこの作品、これまでとはちょっと趣が違います。
というのも実はこの『マドンナ・ヴェルデ』は、『ジーン・ワルツ』のアナザー・ストーリー。
「クール・ウィッチ」曾根崎理恵の実母で”代理母”となる山咲みどりの視点で同じストーリーを描き、相互補完しているのです。

”北”で起きた医療事故やマリア・クリニックの因縁話は前面には出ず、その代わりに理恵の葛藤や、母親の前でしか見せない娘としての顔、夫・伸一郎との出会いなどの過去話の比重が大きくなり、「クール・ウィッチ」とは違った彼女の一面が窺えるようになっています。
『ナイチンゲールの沈黙』と『ジェネラル・ルージュの凱旋』も同時並行の話でしたが、それともまた違った構成で、作者の中でも曾根崎理恵の存在が大きいのだろうなあと感じさせてくれます。
そういえば『ジーン・ワルツ』は映画化されましたが、こちらはNHKでTVドラマ版を放送してましたね。
どんな出来になっているのかは気になりますが、映画版の菅野美穂、そしてTV版の国仲涼子、どちらも自分が思う「クール・ウィッチ」のイメージではないんだなあ・・・。
ところで、『医学のたまご』に出てくる曾根崎薫クンの面倒を見てる「家政婦の山咲さん」って・・・? えっ?そういうことだったのか。


ママ、私の子どもを産んでくれない? まずは来訪記念にどうかひとつ! 人気blogランキング【あらすじ】正義のために、良心を捨てた女。海堂史上最強の魔女、ふたたび降臨! 桜宮市に暮らす平凡な主婦、山咲みどりのもとをある日一人娘で産婦人科医の曾根崎理恵がおとずれる。子宮を失った理恵のため、代理母として子どもを産んでほしいというのだ。五十歳代後半、三十三年ぶりの妊娠。お腹にいるのは実の孫――この子はいったい、誰の子なの? ・・・読み終わって素朴な疑問、料理と俳句はなんの意味があるのだろうか?「ジーン・ワ...... more


あの【バチスタ・スキャンダル】から約3年・・・。 東城大学のある桜宮市ではなく東京の片隅で、クール・ウィッチ(冷徹な魔女)魔女と呼ばれた曽根崎理恵が産科医療に一石を投じた、『ジーン・ワルツ』の別の側面の物語である。 何を考えているのかよくわからなかった代理母・山咲さんの、代理母を引き受けてから出産を終えるまでの心情及び遭遇する出来事が、丹念に描かれていく。 海堂尊さんの物語は、ホントあちこちで繋がってるんですが、『マドンナ・ヴェルデ』は特に、『ジーン・ワルツ』や『医学のたまご』と直接...... more

JUGEMテーマ:読書 「ママは余計なこと考えないで、無事に赤ちゃんを産んでくれればいいの」平凡な主婦みどりは、一人娘で産科医の曾根崎理恵から驚くべき話を告げられる。子宮を失う理恵のため、代理母として子どもを宿してほしいというのだ。五十歳代後半、三十三年ぶりの妊娠。お腹にいるのは、実の孫。奇妙な状況を受け入れたみどりの胸に、やがて疑念が芽生えはじめる。「今の社会のルールでは代理母が本当の母親で、それはこのあたし」 「ジーン・ワルツ」主人公の女医、曽根崎理恵が行なった代理母出産を、出産をした...... more


えっと・・・これは、「医学のたまご」の主人公かおるクンとその妹がいかにこの世に存在するに至ったかという話、そして「ジーン・ワルツ」と同じ時間・同じ舞台を、異なる立場のもうひとりの女性の視点からたどった物語、ということになります。... more


『ジーン・ワルツ』は最近映画にもなってますがこれは、その舞台での別の視点からの物語。NHKでテレビドラマ化されてましたね。ってことで、どうもヒロインの映像は松坂慶子で補完されています(笑)曾根崎理恵の代理母となった実母みどり代理母になることを娘から求められ、... more