『宇宙戦艦ヤマト』 西崎義展:構成
2012年 03月 12日

赤茶けた丸い地球の姿が、月が欠けるようになりながらぐんぐんと遠去かって行く。とキリがないので止めますが、それぐらい熱心に読んでいたんですね。
<あの地球も、以前は緑に見えたのだ>
宇宙駆逐艦「ゆきかぜ」の艦橋から、古代守は――
最初は<SFロマン>と題したハードカバーで刊行。定価は800円でしたっけ。3冊一篇ではなく、3巻目だけ遅れて出版されていたと記憶しています。
友人から借りて夢中になり、どうしても手元に置いておきたくて駄々をこねて親に買ってもらったんだったかな。
まだビデオはおろか、アニメ誌もなかった頃、口絵に「アニメの絵」がそのまんま使われていたことも魅力でしたし、本放送は見たことがなく、再放送をチラホラしか見たことがなかった当時、『宇宙戦艦ヤマト』という物語の全貌を知る手段としてはこれぐらいしかなかったということもあります。

これを読んで、TV版と映画版は結構お話が違うんだな、ということも知識として蓄えられました。
後になって再放送を見たり、ビデオを見るようになった時に、実はこのノベライズが必ずしもTV本編に忠実ではなかったことを知るのですが。
その後、ソノラマ文庫に入り(今回読んだのはコレ)、更に『ヤマトよ永遠に』公開時に<ヤマト大全集>というソフトカバーのシリーズとして復活。都合で3ヴァージョンが存在しています。
<SFロマン>と<ヤマト大全集>はサイズ以外はほぼ同一の内容ですが、文庫版は口絵が変わり(そして増え)、何故か単語が一部抜け落ちていたりします・・・。

「構成:西崎義展」とあるのは、シナリオから西崎プロデューサーが小説の形に書き起こしたものだと当時は素直に考えていたのですが、はたして多忙なプロデューサー本人にその時間があったのかどうか。別にゴーストライターがいたのでしょうかね。
ともあれ、『宇宙戦艦ヤマト/復活篇』、『SPACE BATTLESHIP ヤマト』、『宇宙戦艦ヤマト2199』と、ここ数年「ヤマト」復活の機運が高まってきています。
この機会にノベライズもどこからか復刊してくれないもんでしょうか。